あやめ池学園南 九条の会 - 奈良から憲法九条を守ろう


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渡辺 治氏(一橋大学教授)




憲法をめぐる現局面と海外派兵恒久法

一橋大学大学院教授 渡辺 治
はじめに ポスト安倍政権と改憲の新局面

 今日は「憲法をめぐる現局面と海外派兵恒久法」というタイトルで、1時間半ぐらいお話いたします。安倍政権が、任期中の改憲を掲げて登場してから、1年足らずの間に崩壊しました。安倍政権が登場したときは戦後史の中でもっとも改憲の危機が高まった時期だといえます。
 戦後、若干の例外を除いて、改憲を綱領に掲げる自民党政権が一貫して続きましたが、国民の非常に強い平和への思いと憲法に対する支持の意識を踏まえて、憲法の改正を提起することができませんでした。それが90年代に入って冷戦が終わり、アメリカや日本の大企業が、活発に活動するような自由な市場が一気に拡大し、それら新しい自由市場秩序を守る「警察官」としてアメリカが登場した。アメリカは自分一国だけが警察官になるのはごめんだと、「日本も負担を分担しろ。血の同盟を結べ」と圧力をかけてきました。80年代末以降海外展開を本格化させた日本の大企業も、その活動の安全と特権を守るために自衛隊の派兵を求めるようになりました。しかしそのためには9条が大きく立ちはだかっていました。こうして、自民党保守政治のもとで改憲の策動が始まりましたが、保守政権は改憲を警戒する国民意識や運動に気を使って、明文改憲を先延ばしにし、解釈改憲で自衛隊の海外派兵を追求してきました。小泉政権下でのインド洋、イラクへの自衛隊派兵はその頂点でした。ところが、ここで改めて憲法をいじらない解釈改憲の限界が露呈した。どうやっても自衛隊の武力行使ができない限界です。そこで改めて明文改憲の圧力が、アメリカからも財界からも強まることとなりました。
 この期待に応えて登場したのが安倍政権でした。安倍政権は、55年以後21人の首相の誰一人言えなかった「任期中の改憲実行」を公約に掲げてさっそうと登場したのです。保守支配層の期待は否応なく高まった。ところがそれがあっけなく崩壊した。
 安倍政権の崩壊で、改憲をめぐる状況は、昨年の秋から大きく変わりました。確かに改憲の策動は止まってはいない。アメリカ、財界の改憲への苛立ちと圧力は強まってさえいます。けれども、福田さんは、憲法に触れられなくなった。露骨に改憲を掲げた安倍政権が倒れたために改憲を言うことはできなくなったからです。
 私たちは保守支配層が容易に改憲を言えない状況を作ってきたし、改憲をめぐる状況は新しく変わってきた。そこでどうしたらいいのか。福田政権は改憲戦略を手直しし、再び改憲を実行する土俵を作り直そうとしています。その焦点が海外派兵恒久法だと私は思います。そこで今日は、海外派兵恒久法がなぜ出てきたのか。そもそも福田政権の中で、改憲戦略をどうやって修正しようとしているのか。その点についてお話をしたいと思います。


機安倍政権の登場と改憲の危機

1、安倍政権への保守支配層の期待と不安
(1)安倍政権の2つの性格?支配階級の総路線の担い手と新保守派のリーダー
 まず、第一に、今日の状況を作り出すもととなった安倍政権の改憲政策から検討を始めたいと思います。
 安倍政権が登場したときに、保守支配層は、改憲実行にはもうこの政権しかない、と大きな期待をもちました。しかし、安倍政権というのは、登場したときから、保守支配層にとっても不安なところをもっていました。1つは、確かに安倍政権は、アメリカや財界といった保守支配層の大きな期待、?90年代以来実行しようとしてなかなかできなかった構造改革と軍事大国化、その完成としての改憲?この2つの課題を実行する期待を担って登場した保守支配層の切り札でした。しかし同時に、安倍政権は、いままで保守政治の中では必ずしも大きな力を持てなかった改憲タカ派の人たちの応援を得て、その期待を担った政権でもあったわけです。この2つの支持基盤は、改憲をするという点では一致しているのですが、いざ実際に改憲をやろうとすると、大きな矛盾を孕んでいました。
 財界やアメリカは、とにかく9条を変えて、自衛隊を海外でアメリカと一緒になって武力行使できるような軍隊にしてもらいたいと要求していた。しかも、保守支配層は、改憲が非常に大変な作業だということを充分知っていました。まず、国会の3分2の多数の議決を取らないといけない。それには民主党の賛成がなければならない。民主党の賛成を得て国会で改憲を発議しても、国民投票で国民の過半数の賛成を得なければならない。
 そこで保守支配層は、改憲案に何もかも盛り込むことは不可能だから、絶対急がなければならない9条に絞るべきだと主張しました。タカ派のいうように天皇条項も変えて元首にしろとか、24条を「改正」して家族の法的保護規定を入れろ、離婚とか結婚をそう簡単にさせないようにしろとか、25条で生存権を法的な権利として認めているから国民が自分たちの父親とか母親の介護を国に依存するような悪い習慣ができて、介護費用とか社会保障費用がどんどん増している。だから、生存権はプログラム規定であるということをはっきりさせなければいけないとか、26条の教育に関する規定も、国民の権利だと訴えているだけではけしからんから、公の教育というのは、国民の伝統と文化、奉仕、道徳としつけをきちんと行う、ということを明記しなければいけないとか、?こんな改憲案を出したら、改憲などできっこないとわかっているわけです。だから、改憲のときには9条に絞って、民主党が乗ってくるような「新しい人権」とかを入れてオブラートにくるもうとする。
 それに対して、とんでもないとタカ派の人たちは言う。タカ派の人たちはいまの退廃し、分裂した社会を建て直すには、個人だ、自由だとばかり言っている憲法を変えなきゃいけない。憲法を変えて、はっきりと家族と地域と共同体を守り、伝統と文化の日本を再建しなければならないと言っている。こうした対立は、いざ実際に改憲案を作ろうとすると、非常に大きな矛盾になる。
 また、外交や歴史問題でも、保守支配層とタカ派は対立しました。財界やアメリカは、日本が改憲をして軍事大国化してアジアに進出していくには、中国や東アジア諸国との関係を改善し、自衛隊派兵についてある程度の合意、容認を得なければならない。そのためには、靖国神社や従軍慰安婦の問題でも、謝るところは謝ってやらなければならない、と考えています。ところがタカ派の人たちは、「とんでもない話だ。なぜ中国などの言い分を聞いて、靖国神社の参拝をやってはいけないのか。いわんやアメリカが靖国に口を出すなどはもってのほかだ、けしからん」と反発する。

(2)安倍政権の矛盾と股裂き
 安倍政権は保守支配層の改憲の期待を担って登場したが、安倍さんのタカ派的な信条をそのまま表明したら、肝心かなめの改憲ができない。しかし安倍さんがタカ派的心情を封印したら、タカ派は失望し安倍政権は最大の支持基盤を失う。こういう矛盾と不安に最初からさいなまれていたわけです。そして、安倍政権は、国民の反対の声を受けて、あるいは、国際的にも靖国神社や従軍慰安婦の問題に対する声がある中で、タカ派の強い圧力との間で股裂き状態になってしまった。
 保守支配層の要求を受けて、改憲を実行するために、まず中国や韓国の同意を得なければならない。「日本は決して危険な国ではありませんよ」というために、中国や韓国に行った。そうすると、タカ派の人たちが、「安倍は裏切った」「安倍は転向した」と批判し、それに慌てた安倍首相は、07年3月1日には、「従軍慰安婦は強制ではなかった。従軍慰安婦は国家の関与はなかった」と言う。そうすると、財界は「せっかく中国と仲良くしようとしているのに、なんてことを言うんだ」と批判。アメリカも、「安倍は東条か?」とブッシュが疑念を表明する。安倍首相は慌てて、アメリカに4月26日に行って、「いや。そんなことはありません」と言う。そうすると、櫻井よしこさんが、カンカンになって怒って意見広告を出す、これがアメリカで益々日本不信を掻き立て、従軍慰安婦問題での決議を生む、こういうふうな状況になる。
 
2、安倍政権の改憲政策とその矛盾
(1)民主党を巻き込む改憲草案づくり
 では安倍政権は、改憲実行のために一体何をしたのでしょうか。次にそれを検討したいと思います。安倍政権は、任期中に改憲を実行するために、96条が改憲のために設定している2つのハードル、すなわち衆参両院での三分の二の多数の賛成を得ての改憲案発議、国民投票による過半数の賛成を得るための作業に入りました。改憲のためのクルマの両輪づくりです。一つは、国会の3分の2の議決を取れるような改憲案、つまり民主党の賛成を得ることができるような改憲案をつくり国会に出す。もう一つ、改憲手続法をつくって国民投票で勝てるようにすることです。
 まず改憲案については、安倍首相は、タカ派の全面改憲の主張を押さえて、財界、アメリカの言う通りに、9条に的を絞った「自民党新憲法草案」を土台にして民主党と協議に入ることを容認しました。24条、25条、26条の改正なんか入れたら絶対通らないからということで、安倍首相は、自分のタカ派的な新保守的な心情を押し殺して、民主党と協議のできるような改憲案を自分の改憲案の土台にするということを声明したのです。
 
(2)改憲手続法の強行
 改憲手続法についても、安倍首相は、当初民主党を抱き込むために譲歩に譲歩を重ね、06年の年末には民主党と共同修正提案をするまでに至りました。
 ところが、安倍さんは、07年1月、急転直下、改憲手続法について強行路線に転じたわけです。改憲手続法については、07年通常国会で必ず通す、民主党が反対した場合には、単独ででも通すと宣言したのです。さらに07参院選には改憲問題を争点にするとも言いました。そして実際、5月12日に、改憲手続法を強行可決してしまいました。
 こうした強硬姿勢に、保守支配層は、「安倍さん、大丈夫かな」と不安になりました。というのは、民主党がひねくれてしまって、協議の土台に乗らなかったら、どんなに頑張っても改憲はできないからです。ではなぜなんでそんな強行路線をとったのか。安倍首相には思惑がありました。07年の参議院選挙で勝てば、必ず小沢さんはいなくなる。小沢さんがなんでも反対でやっている限り、どんなに譲歩したって、改憲手続法は通らない。ここは強行採決をするけども、通して、クルマの輪を作ってしまって、そうして、小沢がいなくなれば、必ず民主党の中の改憲派の人たちはにじり寄ってくるからそれから協議を開始すればよい。しかも、改憲手続法は、ほとんど民主党の意見を入れているじゃないかと思ったのです。ところが、あにはからんや、安倍さんがいなくなってしまった。

(3)保守支配層内部からの危惧
 こうした安倍政権の改憲強硬路線に対し、改憲を支持してきたはずの保守支配層の中からも、「安倍で大丈夫か?」と不安が出てきました。「改憲して自衛隊がアメリカ軍と一緒になって、世界の警察官として活動する、それは必要だ。イラクに自衛隊を派兵する。要りもしない水をつくるというのではなくて、本当に一緒になって戦う、そういう自衛隊を出すことについては、賛成だ。しかし、戦前の軍国主義のような国になってもらっては困る。安倍さんは、ひょっとして、そんなことを考えているんじゃないか」という不安が、保守支配層の中でも生まれてきました。
 ですから、いままで、改憲に基本的に賛成だった立花隆さんとか、保阪正康さん、保阪さんは大東亜戦争について何冊も本を書いている人ですねーこういう人たちが、安倍政権が改憲を強行して進めるにしたがって、「安倍政権のもとでの改憲には反対だ」という態度を表明するに至ったのです。安倍首相の手による改憲で戦前の日本のようになるんじゃないか。だから、自分は安倍政権のときの改憲は絶対反対だと。保阪さんも、安倍の軍事知識はまったくいい加減なものだと。あの大東亜戦争で、多くの日本の国民が血を流し、死んでいった教訓をあいつはわかっていないんじゃないかと。このままでは本当に日本の将来は危ない。保阪さんは、「自分は改憲派だ」と言っていますが、にもかかわらず、安倍首相のもとでの改憲は許さない、と訴えるようになりました。


供安倍政権の倒壊と改憲状況の変化

1、安倍政権の倒壊と明文改憲スケジュールの動揺
(1)07参院選に示されたタカ派改憲路線への批判
 安倍政権はこのように、改憲では強行路線をとって保守勢力内部でも危惧の念を強めていましたが、他方、構造改革の遂行の面では、構造改革を推進せよという財界の強い要請と、構造改革で悲鳴を上げる地方の弱小産業や農業の間に立って、立ち往生してしまいました。安倍政権は、すでに、構造改革の結果が、格差と貧困の増大、地方の衰退というかたちで顕在化しているにもかかわらず、財界の強い圧力を受けて、有効な手を打つことができなかったのです。
 こうした安倍政権の構造改革強行、改憲・タカ派路線に対する審判が下ったのが、07参院選でした。安倍自民党は、構造改革で切り捨てられ、怒りに燃えた地方一人区で、6勝23敗と大惨敗し、大都市部でも、民主党に敗北しました。改憲遂行のエースとして登場した安倍政権があっけなく崩壊し、福田政権が登場しました。福田政権のもとで、改憲問題は大きな変化を余儀なくされたのです。
 そこで、まず検討しなければならないのは、参院選での安倍自民党の敗北の原因です。なぜなら、参院選に示された力が次の福田政権の改憲政策をも縛っているからです。
 安倍自民党の参議院選挙での敗北の最大の要因は、構造改革に対する国民の怒りが沸き起こったことです。こうした怒りの声は、地方で鋭く現われました。しかし、実はもう1つ大きな要因がありました。それは、安倍政権が持っている改憲タカ派的な政策に対する国民の批判が、とくに大都市部で民主党に票を集中させたことです。東京、大阪、埼玉、京都のような大都市部で、安倍自民党の改憲・タカ派的な姿勢に対する批判の票が民主党に集中した。
 東京における民主党の大河原さんや無所属の川田龍平さんなど、そういう人たちの票が彼らの平均を上回って得票しているところをみると、面白いことが分かります。彼らが票を獲得している地域は、文京、練馬、豊島とか東京の23区の山の手と多摩の東部です。この票の出方というのは、実は、石原慎太郎さんが2007年の4月の都知事選挙で50%を取れず苦戦をした場所に重なっているのです。国立市などは、浅野さんと吉田さんの票を集めると、石原さんを超える、反石原の「牙城」でしたが、参院選ではそこも含めて、安倍自民党に対する批判票が集まっている。これは明らかに、安倍自民党と石原が共通する性格、つまり改憲タカ派に対して、東京の中間層の人たちがNOと言ったということを示しています。
 そこで登場した福田政権ですから、福田さんが「私は安倍さんと違いますから、私が改憲を言っても大丈夫」というようなわけにはいかないんですね。安倍政権が明確に改憲を掲げて強い批判を受けたことを踏まえなければならない。福田政権になって、改憲情勢の大きな変化の第一は、明文改憲が非常に難しくなっていることです。安倍政権のようにイケイケドンドンでやることはできなくなった。安倍さんが倒れた理由が、改憲の強行にあるということがはっきりしているわけです。
 
(2)安倍政権倒壊による明文改憲の困難
 ポスト安倍政権で明文改憲強行が困難になったり悠はいくつかあります。第1は、安倍政権を倒した改憲に対する危惧の声を無視できないという点です。
 安倍政権を倒壊に追いやった改憲に対する批判と警戒の声は、実は安倍政権になって突然現われたわけではありませんでした。自民党が、アメリカや財界の圧力を受けて、自民党が改憲の作業に取り掛かったのは、2003年の総選挙で小泉政権が、「2005年の自民党結党50周年までに改憲草案を発表する」と公約し、選挙直後から、党憲法調査会の活動を復活させて以降のことでした。党憲法調査会は、プロジェクトチームを結成して、04年初頭から精力的に改憲作業に取り組みはじめました。
 ところがこうした改憲作業の具体化に並行して、世論が変わりはじめます。この04年の6月に「九条の会」ができました。そしてご存知のように、全国各地に会が増えていきました。この04年から、05年、06年、07年と、読売新聞の改憲の調査をみると注目すべき特徴が現われました。ご存知のように読売新聞というのは、改憲支持の新聞です。その新聞が世論調査をしたのですが、04年から07年の4月、安倍政権が改憲を言っている真っ最中のところまで、連続的に改憲賛成派は世論の支持を減らし、改憲反対の声がどんどん直線的に増えていっていったのです。9条改憲については、ついに読売新聞の世論調査でも、過半数が反対だということになった。
 安倍自民党に対する批判の裏には、こうした「九条の会」の運動によってつくりだされた改憲反対の声の高まりがあったのです。こういう声を受けて、安倍政権は倒れたわけですから、ポスト安倍政権は、そう簡単に改憲を打ち出せなくなったのです。ポスト安倍政権で明文改憲が困難になった理由の第1はこれです。
 第2に、安倍さんのように、他の課題を脇においてでも改憲をやるというような総理大臣はいないんですね。福田さんやこれから出てくる総理大臣だって、安倍さんのように「改憲オタク」みたいな総理大臣はいません。だから、安倍さんが倒れたら、他の総理大臣、これに代わる改憲の有力な総理大臣はもういない。
 3番目に、安部首相が改憲手続法を強行して、民主党との協調路線を壊してしまった。これをもう1回再建しないことには、改憲は実現できない。これも改憲が難しくなった大きな理由でした。
 第4に、改憲運動の担い手であるタカ派の人たちが、安倍政権の崩壊でがっかりしてしまったことです。櫻井よしこさんなんかは、福田政権ができたときに、「改憲は40年遅れる」と発言しています。このままではもうだめと元気がなくなってしまった。改憲の「国民」運動を担ってきたのは彼らなんですね。彼らが安倍政権の崩壊で非常にがっかりしてしまった。
 最後に、07参院選でこういう勝ち方をしたため、民主党は、自民党の改憲協議の誘いに乗りたくても乗れなくなった。民主党が参議院選挙で勝利した理由は、1つは、今までの民主党の構造改革推進路線を捨てて構造改革批判を正面からうちだしたことでした。もう1つは、改憲について、一言も触れないでイラクからの自衛隊の撤兵を言ったことです。民主党の議員も07参院選でなぜ自分たちが勝ったかを分かっているんですね。だから、民主党も、安倍首相が引っ込んで福田さんになったから、それじゃ、改憲問題で憲法審査会を始動させようというわけにはいかない。そんなことをしたら、民主党は国民からそっぽを向かれてしまう。
 以上のように、安倍政権崩壊後、明文改憲に対する不利な状況が生まれてきた。しかし、自衛隊を海外に派兵する体制を早くつくれというアメリカの圧力や財界の要請は強まることはあっても弱まらない。ここで福田政権の改憲戦略の手直しが必然化してくるのです。

2、民主党の豹変と保守支配層の圧力
(1)小沢の保守第二政党の限界踏み破りー禁じ手
 安倍政権の倒壊以後の改憲状況の変化という点では、他にもふれておくべきことがあります。第2に指摘しておかねばならないのは、民主党の変貌です。
 民主党が参議院選挙で、はっきりと反構造改革、反軍事大国の旗を上げたことは、「画期的な」ことでした。それまで民主党は、自民党と競って、構造改革と軍事大国化を主張し、とくに構造改革は自民党のように公共事業投資のしがらみのない自分たちの党でこそ、初めてできると主張していたわけです。それが、選挙目当てのために、一転した。今まで右に走っていた政党が、いきなり「左」に走り出すわけです。普通では考えられないことです。やはり小沢さんという人のリーダーシップと、民主党の非民主的な体質というものがなければ、これはできなかった。しかし、小沢さんが優れていたことは、参議院選挙に勝つには、今までの路線を転換して構造改革批判に転じなければならない、との判断を持ったことです。この点で、彼は「天才的な」政治感覚があった。つまり構造改革に対する怒りが、地方で鬱積しているということを小沢さんは感じ取ったわけです。たとえば、消費税は小沢さんが最初に10%と言ったのに、消費税を上げないと明言する。
 日本の保守政治家で最初に「構造改革」を唱えたのは、小沢さんの「日本改造計画」という本でした。その小沢さんが、構造改革で国民は痛みを持っている、この政治を変えなければいけないと言った。これは保守支配層にとって、大きな怒りと不満の要因になりました。小沢民主党は、保守第二政党としての限界を超えてしまったからです。これは、私は「禁じ手」だったと思います。保守支配層にとっては、そこまでやるか、民主党は選挙で勝つためにそこまでやるかと怒った。
 たとえば、アメリカの共和党と民主党は、大統領選挙であれだけ激しく争いながら、基本的に構造改革では一致しています。細部ではいろいろありますが、イラクからの米兵の撤兵についても、確かにオバマさんは明言していますが、クリントンさんはそうは言っていないし、オバマさんが政権取っても、今のアメリカの戦略を維持するかぎりイラクからの撤兵はできません。いわばコップの中の嵐で、共和党と民主党が戦っている。そのためアメリカ国民は実に狭い選択肢の中で判断せざるをえなくなっています。
 日本でも構造改革と軍事大国化を推進するために保守支配層は、アメリカ型の保守二大政党制の構築に腐心してきました。ところが、小沢さんは、自民党と民主党が、いままでコップの中の嵐で争っていたのを、突然、反構造改革、イラクからの撤兵を打ち出した。どうしてかというと、アメリカの2大政党と日本の2大政党との違いが関係しています。日本では、保守二大政党だけでなく、その横に共産と社民がいることが、小沢のこうした行動の背景にあるのです。なぜ共産と社民がいるのが大事なのか、これら政党は自民党の構造改革と軍事大国化に対する明確なオルタラナティブ、つまり反対の選択肢を打ちだしています。国民はそれを見ているわけです。そうすると、民主党は、コップの中の嵐で戦えなくなるわけですね。小沢さんは、そこで、民主党の従来の政策的な枠組みを踏み破ってしまった。その際、共産党の主張が念頭に置かれていたことは間違いありません。そして勝った。だけど、民主党はいつ保守政党の枠に戻るのかという問題に、今度は直面したわけです。
 
(2)保守支配層の当惑と圧力
 保守支配層は当惑しました。アメリカは烈火のごとく怒ったんですね。民主党はなんだと。保守政権の安定した責任ある政党ではないのかと。テロ対策特措法の延長になぜ反対するのかと猛烈な圧力をかけました。
 財界のほうは、構造改革をストップさせる気かと、これまた怒った。民主党が保守第二政党として財界の信頼を得ていたのは、自民党以上に公共事業投資の削減や地方の切り捨てなどの新自由主義の改革に積極的だというところでした。日本経団連は、07年秋の段階で自民党と民主党に対する政策評価を行った。5段階評価のABCDEで評価するのですが、民主党は全部DとEに集中したのです。日本経団連の圧力でした。民主党は、この通信簿をもらって、がっかりしたというのでは済まないのです。これにより政治献金の額が決められますから。財界はカネでもって民主党を絞り上げようとしたわけです。そこで、民主党はいつか保守の枠に戻らなきゃいけない。しかし、参議院選挙で、国民の前で約束をしてしまった。民主党は、衆議院選挙を前にして国民の前でみっともない真似をしたら、二度と永遠に民主党は立ち上がれなくなりますから、大変な状況になっている。これも、改憲状況をめぐる大きな変化です。
 
3、国会情勢の激変
 3番目の改憲状況をめぐる大きな変化は、参議院選挙で自民公明が過半数を失った結果、国会情勢が激変して、改憲どころではない状況が生まれていることです。
 たとえば、あとで述べる海外派兵恒久法の問題でも、08年3月25日に福田さんは山崎拓さんと話をして、今国会の会期末には法案を出して今年末には通すと言ってしまった。ところが、翌26日の午前中には、町村官房長官が、「あれは不正確です」と打ち消した。いまそんなことを言ったら、とんでもないことになるという判断からです。海外派兵恒久法制定には民主党を巻き込まなければいけない。公明党とだって打ち合わせないのに、先走ってしまってはまずい。こういうことで、福田さんは、昨日26日の夕方には、「昨日の発言は山崎さんの発言を紹介したのにすぎない。僕の意見じゃない」と言わざるを得なかった。そういう状況を作っているのは、国会における大きな情勢の変化、参院選での野党の過半数確保です。
 この国会における力関係の変化も、明文改憲の強行には、不利な条件を作っています。
 たとえば、参議院で民主党がそれなりの力を発揮して、後期高齢者医療制度についての廃止法案を野党4党で出した。非常に中身はいいものです。民主党が単独で出したら、おそらくあそこまでは言わなかった、あるいは言えなかったと思います。民主党は自分の政権のことを考えますから、せいぜい後期高齢者医療制度の凍結程度でとどめたかったと思うのですが、4野党になったためにさらに突っ込んだ法案になったんですね。とくに注目されるのは、医療費の適正化の5カ年計画?都道府県ごとに医療費適正化で医療費を絞るような計画を立てさせるものですが、これをも廃止すると法案に謳われた点です。これも4野党共闘のたまものです。参議院で、民主党がヘゲモニーを取るには、共産、社民の言うことを聞かなきゃいけない。これはものすごく大きな状況の変化です。これがある限り、民主党は、衆議院選挙までに、国民を裏切れないというだけじゃなくて、国会のヘゲモニーを取るためにも、裏切れないという状況がつくられているのです。


掘▲櫂好醗打楡権の改憲戦略の三つの手直し、一つの策動

1、解釈改憲先行戦略
 こうした状況下で、福田政権は改めて改憲を実行する状況を作りだすという問題に直面しているわけです。そこで、福田政権の新しい改憲戦略は3つの手直し、1つの策動とまとめられると、私は考えています。安倍政権とは違う4つの新しいポイントが出ている。決して福田政権が喜んで出した新戦略ではなく、手直しなんですが。

(1)アメリカの圧力への対応
 第一の手直しは、安倍政権がもう解釈改憲では限界にきたとして明文改憲を前面に出したのを引っ込めて、改めて解釈改憲を先行し、前面に出すという手直しです。
 アメリカの強い圧力を受けて、小泉政権は、インド洋、続いてイラクへの自衛隊派兵を敢行した。しかし、自衛隊はイラクにおいて、水ばっかりつくっていて、自分たちが攻撃されたら反撃することもできない、武力行使もできずイギリス軍とオランダ軍に守ってもらう。これにアメリカの苛立ちがつのり、これでは、アメリカの信頼は得られないということで、安倍政権は明文改憲強行に踏み切った。しかしそれが大きく頓挫してしまった。
 そこで福田政権は、もう一度戦略を手直しして、明文改憲を実現するためにも、まず解釈改憲を先行するというのが、第一の点です。なぜ解釈改憲を先行するのかというと、第1の理由はアメリカの苛立ちと不満を抑えることです。明文改憲の見通しがさし当たり暗くなった。にもかかわらず、アメリカと財界の圧力は、いっかな衰えていない。そうすると、アメリカの苛立ちをまず押さえなきゃいけない。
 アメリカの苛立ちは3つぐらいあります。
 まず、日本の自衛隊が米軍の戦闘作戦行動に機敏に対応してくれないことへの不満です。特措法をつくってえっちらおっちらやっている。これは困る。とにかくヨーロッパの諸国と同じように、迅速に対応してもらいたい。おまけに特措法の延長ができずに、インド洋から引き返すなどというのはもってのほかだというのです。これが1つ。
 第二の不満は、他の国の軍隊と違って自衛隊は、9条に縛られていますから、「わけのわからない」制約がいろいろある。戦闘地域には行かないとか、武器弾薬の調達はしないけれども運ぶだけはするとか。テロ対策特措法の場合には、インド洋に行って石油は供給するけど、地上にはあがれないとか。武器の使用はできないとか、いろんな限界があるけども、これを突破してほしい、後方支援の中味をもっと充実しろ、というのが、2番目です。
 第三の不満は、アメリカ軍と一緒に戦え、血を流せと。これができないようでなんだというのがあるのです。このアメリカの要求は、明文改憲をしないとできない。だから、最初の2つについては、なんとか納得してもらおうと。これが海外派兵恒久法で、まずここの部分で、「アメリカさん、我慢してよ。日本も大変なんだから。さし当たり海外派兵恒久法でいきますから、勘弁してください」というものです。
 
 (2)民主党との協調の糸口に
 しかし、解釈改憲先行戦略の理由にはもう一つあります。それは、解釈改憲の協議を通じて、民主党との協調関係再構築の糸口にしようという思惑です。海外派兵恒久法制定をめぐって、協議する中で、壊れた民主党との協力関係を再建したい。この目標をもって、解釈改憲をまずスタートして、明文改憲にいく。こういう路線を引き直したというが戦略の手直しの第一です。
 
2、民主党との協調関係の建て直し
 改憲戦略の手直しの第2は、安倍政権の改憲手続法強行で壊れた民主党との協調関係の建て直しです。安倍政権は、改憲を焦るあまり、何を血迷ったか民主党を蹴っぽってしまったが、憲法改正をするには何がなんでも民主党を抱き込まなければ、絶対に改憲案発議はできない。ですから、民主党の改憲派と協調関係を再構築する。
 そこで自民党側が考えている民主党との協調の糸口はいくつかあります。一つは憲法審査会です。ここで民主党との協議を積み重ね、最終的には、改憲案作成まで行きたいので、とにかく憲法審査会をスタートさせようというのが、一つです。しかし、ほかでもなく、安倍政権は、この憲法審査会を設置することを謳う改憲手続法で強行したために、この発足がなかなかできないのが実情です。
 そこで、当面福田政権が手がかりにしようとしているのが、海外派兵恒久法の制定です。この解釈改憲を梃子にというのが、2番目の手がかりです。
 3番目の糸口にねらっているのが、新憲法制定議員同盟です。先日開かれた新憲法制定議員同盟の総会で、鳩山さんと前原さんが新たに同盟の幹部に就任しました。これは明らかに「民主党さん、もう一度一緒にやろうね」というメッセージです。この2人は顧問と副会長にそれぞれ就任してもらった。民主党の幹事長が新憲法制定議員同盟の顧問になった。明らかに明文改憲で、もう1回壊れたタガをはめ直し一緒にやろうぜという、戦略がはっきりしています。

3、国民運動再構築戦略
 三番目の戦略の手直しは、本格的な改憲国民運動の構築によって、国民の合意を取り直そうという戦略です。
 今回の安倍政権の大敗北でわかったことは、民主党をいくら抱き込んだって、最後は国民だいう点でした。安倍政権が焦って、改憲に突っ走ったにもかかわらず、いなそれゆえ、国民のなかに改憲への疑念が高まり、「九条の会」などの運動も盛り上がった。これが安倍政権をあっけなく倒した。
 国民を敵に回さないような戦略を組み立てなければ、安倍さんのように任期中の改憲と言ったって1年保たない。そこで、新憲法制定議員同盟は、大きな戦略を出しています。「九条の会」の大衆運動を、自分たちが起こすんだという方針です。その具体化のために、新憲法制定議員同盟は全国に地方支部を作れという方針を出しています。これは彼らが、明文改憲の実現のためにも改めて国民の合意を調達しなければと考えるに至った証拠です。

4、大連立策動とその挫折
 (1)大連立策動浮上の原因
 こうした福田政権下の3つの手直しと並んで、一つの策動とは、大連立を使うということです。大連立という問題が、去年の10月末に突如として浮上したように見えますが、これは必然だったと思います。読売新聞の会長の渡辺恒雄さんのスタンドプレーではなかったと思います。今回の安倍政権の参議院選挙における大敗北で保守支配層が思い知らされたのは、切り札があっけなく挫折したということでした。これはどんなに財界やアメリカが圧力をかけたって、構造改革とか改憲とか消費税とか、国民に不人気な課題は、単独の政権ではできない。やったら選挙で負ける、という教訓です。
 小沢さんも民主党も、内心では「消費税を上げなければ、大企業本位の財政は保たない」というふうに思っている。ところが、小沢さんも、選挙目当てで消費税の税率アップはしないと言っている。財界は、もうカンカンですね。政権取ったって、民主党は、消費税やらないと約束している。福田さんも民主党が、こう言っているかぎり、選挙を前にしては、消費税問題にふれることは難しい。これではいつまでたっても先延ばしだ、どうするんだ。改憲も同じだと。いくら民主党と協調めざしても、誰も、猫の首に鈴を付ける人がいないんです。
 じゃあ、猫の首に鈴を付けるのは何か。簡単だ。猫と一緒になろうということですね。つまり民主党と自民党が大連立を結べば、反対するのは共産、社民だけだ。これをやったら国民は、民主党を選んだって、自民党を選んだって、両方で改憲を出す、消費税を出すということになれば、これしか通す方法はない。単独政権では、いつまで経っても、改憲も消費税もできない。そこで大連立を結んで、2つの課題が通ったら、また2つに分かれて、相争う。こういうかたちを取らなければ、改憲はできないという切実な意識が、大連立問題を出している。
 
 (2)民主党との協調の糸口に
 では、こうした大連立を、なぜ民主党の他の議員は反対したのでしょうか。それは民主党の議員や幹部たちの大半は、参院選で公約した民主党の公約をそれから何ヶ月も経たないうちに自民党と組んでひっくり返したらもたない、ということが分かっていたからです。「まだ衆議院選挙終わっていない。これから勝とうというときに、それを言っちゃったらおしまいだ」と、小沢さんの大連立に叛旗をひるがえした。その点で民主党議員たちは正常な判断をもっていたといえます。
 しかし、民主党議員は誰も小沢代表が大連立を捨てたとは信じていない。また小沢はやるに違いないと、疑心暗鬼です。だから、小沢の顔色を見て、一番心配しているのは民主党議員です。なぜそそうなるかと言えば、大連立しか、消費税、改憲を突破する方法はないということが、充分に自民党も民主党の幹部たちに分かっているからです。
 大連立でこれを突破する。解釈改憲を先行し、民主党を海外派兵恒久法で抱き込んで、それから明文改憲については、民主党の協調を再建して、大連立で国会の圧倒的多数を通して、国民投票に持ち込む。これが基本的に新しい福田政権における改憲の新戦略だと思います。
 
 
検△覆次△い浤こ闇品執欝徊 

1、アメリカの世界戦略と海外派兵恒久法
(1)ブッシュ政権の先制攻撃戦略と自衛隊の海外派兵圧力
 そこで、次に、少しくわしく、当面の改憲戦略の焦点になっている海外派兵恒久法の制定策動について検討しましょう。
 アメリカの世界戦略にとって、日本の海外派兵恒久法のような法律が必要になってきたのはいつ頃からかというと、ブッシュ政権の成立以降だと思います。それまで、アメリカは自衛隊を海外に出動させろという圧力を加えてきましたが、特にブッシュ政権の先制攻撃戦略が出て、「ならず者国家」に対して今までのように軍事的な圧力で抑止するというのではなくて、イラクや北朝鮮などならず者国家は転覆し民主的な政権をつくることによって、大企業が安定して活動できるような市場秩序を作る。石油が安定的に安く手に入る中東を作る。こういう構想に切り替えた。これは大きな戦略の転換でした。戦略は、アメリカ本位の大企業本位の市場秩序を作るという点では、一貫しているけども、そのやり方は、「ならず者国家」を攻撃してつぶすという戦略に転じたのです。
 こうした先制攻撃戦略をとってイラクやアフガンや北朝鮮と戦う、あるいは中台紛争に介入する場合には、アメリカ軍だけでは足りない。戦略の転換にともない、自衛隊の海外派兵についての大きな圧力がかけられるようになりました。そこで、ブッシュ政権の場合には、改憲なんかやっている暇がなかったら、やらなくてもいい。解釈改憲でいいから自衛隊を出せという要求が非常に強くなりました。しかも、イラク戦争の経過にともない、こうした派兵圧力は強まりました。イラクであれだけの戦死者が生まれている。本当は早くに終わる予定だったけど、戦死者が止まらない。そうすると、アメリカ国民の批判が強い。「日本は何をやっているんだ。誰も死んでいないじゃないか。日本をもっと協力させろ」という不満が、アメリカ国民の中にもでてきた。ブッシュ政権としては、撤兵はしたくないわけですから、イラクが泥沼になるにしたがって、日本の自衛隊をもっと大量に、もっと後方支援を強化して、自衛隊を陸上部隊として出してもらいたいという要求が非常に強くなった。ブッシュ政権は、最終的には日本の自衛隊がアメリカ軍と一緒になって、血を流すというところまでもっていきたいと思うれども、その時間がなかったら、立法によってでもやってもらいたいという要求が非常に強くなってきたのです。
 こうして、第2期ブッシュ政権で、アフガンもイラクも泥沼化した状況になって以降、海外派兵恒久法についての要求が非常に強くなったのです。

(2)ポストブッシュ政権の戦略と自衛隊
 ここで押さえておかなければいけないのは、「ブッシュ政権が倒れたら、こうした圧力は消えるか」という問いです。私はいろいろ変化することはあっても日本の自衛隊を海外派兵させ、一緒に戦えという要求は消えることはないと思います。共和党のマケイン政権になったらブッシュ戦略は踏襲する。問題は民主党政権です。オバマになっても、ヒラリーになっても、この問題はどうするのか。ヒラリーははっきりと撤兵はできないと言っています。オバマは今のところタイムスケジュールも出して撤兵すると言っていますが、私はで難しいと思います。アメリカの権益を放棄しなければできませんから、オバマ政権になっても、中東和平を本格的に手をつけ、イスラエルを屈服させて、パレスチナの独立国家建設を認め、イラン、シリアを含めて、中東の平和保障の体制をつくらなければアメリカは撤退できません。しかもアメリカは、大規模地上軍撤退ののちもイラクに米軍基地を建設して米軍駐留を継続することはたしかです。ですから撤退はできないと思います。
 ではアメリカの世界戦略は全く変わらないのかというと、オバマになっても、ヒラリーになっても、民主党政権になったら、間違いなく世界戦略の一定の手直しはあります。アメリカの財政赤字も経済不況も非常に深刻化している。まず大統領はこの問題に手を付けなければいけない。そうすると、歴代のアメリカ政権と同じことで、世界各地の米郡の直接介入をできるかぎり同盟国に委ねるという路線が打ちだされる公算が強いと思います。昔だったらアメリカは目下の同盟国である韓国とか、イラクとか、イランとかに任していたのですが、次々に民主化され、しかも冷戦が終わったということになると、同盟国として残るは、NATO諸国と日本です。これに任せざるを得ない。
 民主党政権の場合には、より強くこの方針が出てくると思います。東アジアについての軍事的なプレゼンスを強化しろというアメリカの圧力は大きくなるのではないでしょうか。市場解放と構造改革を進めろという経済的圧力とともに、日本の自衛隊の海外派兵、特に「不安定の弧」と言われてきた、アフリカの角から中国大陸、朝鮮半島に至る広大な地域について、日米共同作戦、そのための自衛隊の派兵要求というものが、民主党政権の場合にはむしろ強くなってくる。経済的な圧迫とミックスされて出てくるので、日本の場合には、相当に強い派兵圧力になる。アメリカ頼み、オバマさんだったら良くなるかもしれなというようなことは、絶対にありません。私たちが自力で、解決をしなければいけないということになります。
 
(3)特別措置法方式の二つ限界と打破
 では、アメリカの世界戦略が自衛隊をもっと出せという中で、海外派兵恒久法は、一体どんな期待を込められているのでしょうか。
 ブッシュ政権の先制攻撃戦略の中で、はじめは、ただひたすら自衛隊を派兵しろという圧力がかけられた。ブッシュ政権が海外派兵恒久法と言い出すようになったのは、皮肉なことに、小泉さんがイラク特措法を作ってイラクに自衛隊を派兵した直後からです。これだけじゃ不十分だと。それまでは海外派兵ができていませんでしたから、とにかく出てくれ、水を出すのでもなんでもいいからとにかく出てくれ、ということで、アメリカは圧力をかけていました。
 ところが出た途端に、「お前ら、これで十分だと思っているのか」という圧力がかかってきたのです。ラムズフェルドが04年の11月に来日して、「自衛隊はボーイスカウトだ」と言ってたのは、こうしたアメリカのエスカレートした要求を表明したものでした。一人前の大国としてアメリカと同盟を結びたいのなら、自衛隊の海外派兵を恒常化しろ、後方支援の内容を強化しろという話が出てきた。これを具体的に表現したのが、第二次アーミテージ・レポートです。
 アメリカが苛立ち、不満を強めた点は2つあります。1つは自衛隊を米軍の出動とともに迅速に対処できないという点です。これを取り払うには、改憲をしなくてもできる。派兵恒久法をつくれば、迅速に派兵することができる。いちいち、国会を通して特措法をつくるかたちを取らないで、恒久法をつくっておいて、必要がでたら計画を出して、国会承認を得ればいいわけです。特措法をつくる手間に比べたら、一気に迅速にスタートできる。これはドイツ型で、ドイツは200回以上決議して、バンバン出しているわけです。ドイツと同じようにガンガン自衛隊を派兵するというかたちは、恒久法でできる。
 もう1つは、米軍支援の内容があまりにも貧弱だという点です。もっともよいのは一緒に血を流すことですが、これは、改憲でなければできない。だけど、戦闘地域に行くとか、警護活動をやるとか、治安活動に参加するとか、武器使用基準をもう少し上げるとかというのは、改憲をやらなくても、もっと押せるんじゃないか、解釈改憲の天井がここまで上がってきたんだから、もうちょっと天井を上げろというのが、海外派兵恒久法の中身です。この2つの要求のうち、武力行使、一緒に血を流すところだけは、9条改憲だけど、それ以外のところは、派兵恒久法でいけるじゃないかという要求・圧力が加わった中で、日本側の検討が始まったのです。

2、海外派兵恒久法の検討経過と内容
(1)国際平和協力懇談会報告 
 では、次に今まで政府、自民党サイドの海外派兵協力法についての検討の経過と焦点となる中味について検討しましょう。
 お手元に3つ資料を載せていますが、国際平和協力懇談会の報告書は、今の総理大臣の福田(当時官房長官)さんが02年の5月に作った懇談会の報告です。この懇談会は、海外派兵をもっと恒常化するというための最初の政府の懇談会です。
 懇談会が02年の5月になぜつくられたかというと、01年の9月に9・11のテロ事件が起こった。小泉政権は、慌ててテロ対策特措法を作って、直ちに自衛隊をインド洋海域に派兵した。その直後です。アメリカの要求のエスカレートに対して応えなければいけないということで、福田官房長官が懇談会をつくり、報告書に出したものです。そこで、報告書の中に、「より柔軟な国際平和協力の実施に向けて、早急に法整備を行う」という形で派兵恒久法の必要性が初めて謳われたわけです。
 しかし、この懇談会報告と現在で、異なる点もあります。この段階では、9・11のテロ事件で、国際的に、「テロはいけない」という声が盛り上がっていることに乗じて、自衛隊を出すことを考えたんです。そこで、ドシドシ自衛隊を海外に派兵できるようにするというときに、念頭に置いたのは、国連のお墨付きでした。国際社会のかなりの部分がテロはいかんなと怒っている。テロを封鎖するために自衛隊は行くんだという口実ができていたときに、この報告書を作ったので、国連の決議を非常に重視している。ところが、この報告書が大きな限界に膠着する出来事が起こりました。それは、03年の3月、米軍のイラク攻撃に加担する自衛隊の派兵でした。アメリカは国連の反対を押し切って、フランス、ドイツ、中国、ロシアも反対する中で、イラク派兵をやったからです。国連のお墨付きを得られない場合でも、アメリカに協力しなければいけないとなると、これじゃまずい。
 
(2)自民党石破試案
 そこで、その点をふまえて出来たのが自民党の国防部会の防衛政策小委員会が作った06年8月の国際平和協力法案、海外派兵恒久法の第2のドラフトです。石破茂さんが委員長でつくった案なので石破試案とも呼ばれています。石破試案は、イラク戦争が国連の轟々たる反対の中で行われたことを踏まえてまとめたわけで、それに応じるには、国連があろうとなかろうとやらなければいけない、ここが石破試案のポイントでした。
 もう1つ、民主党の前身の自由党時代に、小沢さんのイニシアティブで03年4月に、安全保障基本法案が出されています。03年4月は、3月のイラク攻撃が開始の後です。自衛隊が行くことに対して、自由党はどういう立場を取ったかというと、自衛隊を国際貢献するのはやぶさかではないけど国連原則が必要だ。国連のお墨付きもないままに、アメリカ軍と一緒になって出ていくのは反対だとの立場でつくったのが基本法案ですから、国連原則が入っている。

(3)安保法制懇の集団的自衛権解釈見直しの試み
 それから海外派兵恒久法と関係ある解釈改憲の試みとして見逃せないのが、安倍政権下でつくられた安保法制懇談会です。安倍政権は、明文改憲を打ちだすとともに、それが時間がかかることを踏まえ、解釈改憲で自衛隊の派兵の内容を高度化しようと試みました。しかし、安倍政権は、今までの国際平和協力懇談会も、石破試案も脇において、集団的自衛権解釈に手をつけるという正面突破路線をとったのです。それが、柳井を座長に、集団的自衛権容認論者ばかり集めてつくられた安保法制懇でした。「そんなものを作ったって民主党の賛成は得られない、公明党の賛成は得られない」というのに、安倍さんは作った。安倍さんのきらいな福田さんや石破さんの平和協力懇談会や石破試案に対する対抗策です。しかし、この安保法制懇は、安倍政権が倒れると同時に、開店休業になって、結局答申すら出せないままに終わってしまいました。

3、海外派兵恒久法の二つのねらい
(1)アメリカの要請といらだちに応える
 こういう経過をたどって、制定されようと浮上している海外派兵恒久法には、一体どんなねらいがあるのでしょうか。改めて検討してみましょう。大きく言って2つあります。
 1つのねらいは、今まで述べてきたことから明らかなように、アメリカの要請と苛立ちに応えることです。米軍の作戦行動への迅速な派兵、後方支援内容の拡充をやる。特に注目すべきことは、テロ対策特措法もイラク特措法も、期限においても限界があるので、恒久法でこれを突破したいという点です。最初のテロ対策特措法は、2年任期で任期のたびに国会で承認を得なければいけない。テロ対策特措法の延長、延長で来たんですけど、今回は、参議院で、民主党と社民党と共産党の反対によって、ついに延長ができなくってしまった。そこで、福田政権は、窮余の策として1年任期の新テロ法を作って、それも参議院で否決され衆議院の3分の2で再可決して通した。だけど、いったん自衛隊はインド洋から帰らざるを得なかった。アメリカは、「子どもの遊びじゃないんだ、いいかげんにしろ」という気持ちでいっぱいだと思うんです。日本も非常にみっともない、財界や日本の政府もみっともない、これを繰り返してはならない。ところが、新テロ対策特措法は、また来年1月には期限が切れてしまう。来年の1月にもう1度新テロ法を出せるか、おそらく出せない。そうしたら、恒久法を来年1月までにやらざるを得ない。この点についてもアメリカの苛立ち、要請は非常に強い。まさかまた帰ってしまうなんていう馬鹿なまねはするなとの圧力があります。
 
(2)民主党を改憲協議に引き込む――当面の唯一のテコ
 もう1つのねらいは、海外派兵恒久法づくりの過程で民主党を改憲協議に引きずり込むことです。ガソリン税でも日銀総裁でも、何でも反対でやっている民主党にとって、反構造改革の姿勢は一応、衆議院選挙までは掲げざるを得ない。そこで、海外派兵恒久法を、民主党を抱き込む糸口にしようというねらいです。
 この点については、実は民主党が、自民党との協議の再開の糸口として、恒久法を使いたいというメッセージを出していることが注目されます。2007年の10月号の『世界』に小沢論文が出ました。雑誌『世界』というのは、リベラルな雑誌で、そこに小沢一郎の個人名で論文を出した。これは非常に効果がありました。ここでは、「今のように米軍にほいほい付いていくような自衛隊の派兵には反対だ。しかし、国連の旗のもとに、明確な原則をもって派兵するについては、武力行使も含めて、自分は9条に違反するとは考えない」と小沢さんは主張したのです。その背景には、小沢一流の憲法9条についての解釈論があります。
 小沢さんは、小沢佐重喜というお父さんが亡くなる前まで、司法試験の勉強をしていた。憲法の勉強も当然していた。ですから彼は法律には一家言もっているのですが、彼は独自の理論を、政治家になってから主張しだしたわけです。それは、9条は、自衛隊が日本の意志でもって侵略戦争するのは認めていない。それは絶対やってはいけない。しかし、自衛隊が、日本の指揮のもとにではなく、国連に派遣され国連軍の指揮のもとに世界の平和のために使われるということは、9条に違反していず、むしろ9条が望んでいることなんだというのが、小沢解釈です。政府すらこんな解釈はとっていませんが、とにかく、こういう解釈のもとで、国連の決議、お墨付きがあれば、自衛隊は武力行使でもできると主張したのです。
 ここは自民党を超えています。自民党は、自衛隊は9条の禁止する「戦力」すなわち軍隊ではない、ということから海外での武力行使はできないという立場で、政府解釈もそうです。政府は、「海外に派遣はするけど、武力行使はしない。戦争はしない」「戦争して、相手国の国益を侵害したり、相手国の政府をつぶしたりするのは、紛れもなく9条が禁止している軍隊だ」「武力行使目的で海外に行ったら派兵だ。武力行使をしないで水をつくれば、派遣だ。派遣はいいが派兵はいけない」というのが、政府の解釈です。「そんな解釈はだめだ。国連のもとなら武力行使もできる、派兵も派遣もできる」というのが、小沢解釈です。これを『世界』の論文で展開したわけです。国連の旗の下でなら、アフガンの地上部隊にも派遣すると言ったわけです。
 この小沢論文は、実はアメリカと自民党に対するメッセージだったのです。『世界』という論文を使った非常に巧みな小沢メッセージでした。アメリカに対しては、「ご安心ください。アメリカさん。小沢政権になっても、アメリカに協力しますよ。ただ、国連というお墨付きをもらうことは考えてね」というメッセージです。他方、自民党に対しては、「自民党さん、困っているね。うちの部下たちが反対しているようだけど、国連のことさえ言ってくれればいいよ」というメッセージです。飛びついたのは福田首相でした。10月末の大連立の最大の課題は、海外派兵恒久法をつくって、テロ対策特措法の延長をやるという点で、ふたりで議論している。福田さんは、言っていないと言っているが、おそらく小沢さんにこんな約束をしたと推測されます。「わかりました。国連を念頭に置いてやりましょう」と言ったと思う。小沢さんは、「これで民主党を説得できる」と思って帰ったら、反対された。それで小沢さんは辞めると言ったけど、本当は辞めたくないわけだから、何がなんだかわからないかたちで、居残った。小沢さんの本音は、派兵恒久法なら一致できるよというメッセージを『世界』論文で出したということです。

(3)民主党のテロ新法対案のメッセージ
 臨時国会の末から出てきたテロ対策特措法延長法案に対して、対案を出せという要求を自民党が突きつけたことに対して、民主党が対案を出した。この対案がものすごいものなんです。この対案の25条に、国際貢献のために自衛隊を派兵するための法律を作るべきだということが書かれているからです。対案はわざわざ、こういっています。「国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取り組みに積極的かつ主導的に寄与することを含むわが国の安全保障の原則に関する基本的な法制の整備がすみやかに行われる」べきだというのです。
 これは、小沢メッセージをはっきりとした公式の民主党の見解にしたものです。海外派兵恒久法なら賛成するよという自民党へのメッセージです。新テロ対策特措法は、参議院で否決され、そして民主党の対案が出たわけです。自民党案に反対しての民主党案だが、ある意味ではもっと悪い。国連の旗の下でなら武力行使も認めようということも含んでるわけです。社民党や共産党が賛成できるはずがない。当然、否決になる。ところが、継続審議になったんです。
 どうしてか、不思議なことに自民党が手を貸したわけです。自民党は、民主党のメッセージに対して受け皿を作ったわけです。ですから、継続審議として民主党の対案は今国会にも残っているわけです。
 自民党にとってみれば、一見すると民主党との対決ムード一色で、明文改憲、解釈改憲に民主党を巻き込むための土台はないように見えますが、実はそうではないわけです。民主党は小沢論文や新テロ法対案という形で、自民党に対してメッセージを出しているわけです。つまり、これなら乗ってもいいというメッセージを出してますから、これを足がかりにやろうということです。
 そこで、海外派兵恒久法にどんなものを入れるか、民主党との協議の中でどの辺に落ち着こうとしてるのか、その点を検討しましょう。
 
4、予想される海外派兵恒久法の骨格
(1)米軍の戦闘行動への迅速な派兵
 予想される海外派兵恒久法の骨格は3つあります。
 第1は、米軍の戦闘作戦行動に対する自衛隊の迅速な派兵を正当化することです。国際平和協力懇談会の報告第3部の3に、「より柔軟な国際平和協力の実施に向けて早急な法整備を行う」というタイトルの下に、米軍の要請を受けてさまざまな柔軟な活動をやると記述しています。しかし、国連平和協力法の第3部には、すでにふれたように、限界がありました。この報告書が作られたときはイラクを想定していなかった関係で、国連の決議を前提としていたからです。石破試案はその限界を超えて自衛隊を迅速に出すことを正当化しようとしています。石破試案は、自衛隊は米軍の支援のために派兵する2つの場合を想定しています。1つは国際連合の要請があった場合、もう1つは、国連の要請がない場合でも出せるという設定をしています。この2番目が石破試案で一番欲しい点です。
 なぜならば、今後問題となってくるイランに対するアメリカ軍の攻撃、それから、いまは6カ国協議で押さえているけど北朝鮮に対する攻撃、それから中台紛争における台湾海峡への米軍の出動。この3つを考えたときに、イランは、EUの諸国が攻撃させないようにブッシュをいま押さえています。北朝鮮と中台紛争は絶対に中国とロシアが拒否権を使用してでも反対します。ということは、国連決議は出ない可能性が強いのです。中台紛争への米軍の介入も、北朝鮮への米軍攻撃も、イランへの米軍攻撃も、国連の決議は出ない。その場合に、アメリカの要請に応じて自衛隊が行くことになれば、国連平和協力懇談会の報告書のレベルではまずい。そこで石破試案は、国連決議があるときもないときも、いつでも行けるようにしたというのがポイントです。ここは大きな争点になると思います。
 
(2)後方支援活動の拡大
 第2番目の骨格は、後方支援活動の中身を武力行使以外は何でもすると拡大することです。一番アメリカが欲しいのは、自衛隊がピストンのように武器、弾薬を運搬して、アメリカ軍の後方を全面的に助けることです。兵站がなければ軍隊は成り立たない。その目立たない兵站を全面的に日本にゆだねる。こうして日米共同作戦を実効的なものにしようというわけです。
 アメリカ軍は、改憲して、自衛隊が米軍と一緒になってヤリの役割を果たしてもらわなくてもいい。自衛隊なんか戦ったことないんだから。米軍がヤリの役割を果たすから、兵站は全部おまえらやれよというのが本音です。石油だけと言わないで武器弾薬全部、兵器は同じ規格だから日本から全部調達してそれを貢献しろ。これをやらせるのが後方支援活動の拡大です。
 この点では、国際平和協力懇談会報告は、第3部(9)で重大な提案をしています。これから日本がやれる後方支援活動を、この活動ならやってよいとのポジティブリストから、これをのぞけばやっていいとのネガティブリストにすることが望ましいというのです。武力行使だけはだめだが、あとは何でもやっていいとするのが国連平和協力懇談会の第3部の考え方です。これで一気に派兵内容は拡大する。
 石破試案はそうではなく、安全確保活動、警護活動など具体的に書いている。これのほうが法的な根拠付けとしては、ネガティブリストより法的な規制は効くわけですけど。いずれにしても、大々的に後方支援活動を拡大するというのが第2の柱です。
 
(3)武器使用の拡大――武器使用基準の拡大
 3番目の骨格は、武力行使ができないもとで武器使用の拡大、武器行使基準を拡大することです。これは、国際平和協力懇談会の第3部の3の8のところですけが、明らかに「警護任務」と「任務遂行を実力をもって妨げる試みに対する武器使用」を可能とすると記述しています。イラクの場合にも、これさえあれば戦えるということです。装甲車の中にこもって、オランダ軍に守ってもらう必要はない。3部の8項で一気に行けるというのが国際平和協力懇談会の考え方です。石破試案も25条以下で武器使用基準の拡大を認めています。
 石破試案は、25条以下で具体化をしている。武器の使用というところで、事細かに武器の使用基準を明確に拡大しています。
 今まで述べたように、恒久法の骨格は、この3つです。この3つを全部実現できればいい。しかし、いま国会では、海外派兵協力法どころの騒ぎじゃないわけです。民主党もこうした情勢では、なかなか全面協力というわけには行かないでしょう。福田政権が倒れるかどうかというときですから、海外派兵恒久法のこんな大変な法律を一気に通すっていうことは、民主党が国民を裏切る覚悟しない限りなかなかできないわけです。衆議院選挙前では、民主党は3つを全部のむことは非常に難しい。

(4)譲れない最低限の獲得目標
 そこで譲れない最低限の獲得目標が出てくると思いますが、それは何か。私は現在推測でしかいえません。しかし、あえていうと、いまアメリカが最も強く望んでいて、民主党を説得させても通したいのは、自衛隊をとにかくあらゆる場合に派兵するという点だと思われます。中身は、場合によっては、もういまのままでもいい、とにかく派兵することを正当化する。これを積極的にどしどしやっていけば、実態的に武器弾薬を運ばないとか、調達しないとかのところは、現地でいろんな形で拡大適用できると踏んでいるのではないでしょうか。
 例えば小泉政権時のイラク特措法では、武器弾薬問題は国会の審議の大きな的になりました。地上部隊は帰ってきましたが、まだ空輸部隊は行ってるわけです、空軍部隊は、こっちのほうがアメリカ軍にとって非常に役に立つからいまだに行っていて、アメリカ側はあんまり不満を言わないわけです。
 サマワはシンボリックな部隊だっただけで、実動部隊たる航空自衛隊はいまでも活動しているんですね。その実動部隊でどういう形で穴をあけたかと言うと、たとえば、運ぶ中身は点検しない。アメリカ軍が武器弾薬ではないと言ったら、どんなに大きな、戦車じゃないかというようなものでも中身は点検してない。こういう形で脱法行為を行っているし、佐藤というひげのおじさんは、イラク現地で自衛隊がいろんな脱法的活動を試みたと告白している。米軍の戦闘作戦行動への迅速な派兵を実現すれば、あとは妥協の余地があるというのが、アメリカの圧力を受けた福田政権の考えている中身ですが、問題は民主党が一番こだわるのも派兵の要件としての国連です。小沢さんが、離したくないのは国連という言葉です。ですから、今後ここをめぐって大きな争いが水面下で起こるでしょう。

5、海外派兵恒久法の策動と情勢
 さて、海外派兵恒久法をめぐる情勢を最後に検討しておく必要があります。ガソリン税や年金、後期高齢者医療保険制度などが山積している下で、福田政権にとっては非常に厳しいスケジュールです。私たちの運動や国会のさまざまな活動の中で、改憲どころではない状況が生まれています。ガソリン税の問題、後期高齢者医療に対する運動が盛り上がっている。福田政権は、そっちで手いっぱいです。
 しかし、では、やらないで済むかと言うと、新テロ対策特措法は先述の通り09年の1月がタイムリミットですから、逆算すると、今度の通常国会会期末には、法案は必ず出てくると思います。出てこないと、民主党としては格好がつかないんですね。民主党は、通常国会に出て継続審議になれば、前回からの継続だから秋の臨時国会ではしょうがない、審議に応じざるを得ないということになりますから、いま出しとかなければ臨時国会で通すことはできない。秋の臨時国会で通すには、今国会の頭出しは絶対必要だ。だから福田首相が一昨日3月25日の記者会見で言ったことは本当です。
 不正確だと町村が言わざるを得なかったのは、恐らく公明がびっくりしているし、何といっても民主党と大げんかしているもとで、恒久派兵法について民主党に賛成してくれという事ですから表向き打ち消しただけで、実際にはタイムリミットから考えれば、今国会での頭出しは不可避だと思います。
 民主党との関係がカギになります。今後秋にかけては、何が起こるかわかりません。政権交代があって、麻生政権とか小池政権ができるのかもしれない。小沢体制がもたないかもしれない。しかし、恒久法は絶対やってくると思います。その場合に、恒久法の水面下での協議が、間違いなく5月ぐらいから始まると思います。そのときのポイントは、国連という言葉をどのくらい入れるかということです。石破試案と自由党安全保障基本法案を一応土台にしながら、恐らく国連を緩く解釈して、国連が何らかの形で関与すれば行きましょうとの内容で民主党の呑める「柔らかい案」をつくって民主党を引きずり込むというのが、一番可能性があります。それではアメリカにとって不十分ではないかと思われるかもしれませんが、いったん通せば改正は可能です。とにかく、早急に民主党と手を組まなければ、この状況を打開できない。明文改憲の第一歩も踏み出せないことを考えれば、そこまで折れてくる可能性があると思います。


后¬席顕憲戦略の新動向

1、新憲法制定議員同盟の新特徴−民主党の取り込み
 福田政権のもう1つの柱である民主党との協調路線を明文改憲でも貫徹しようという動向で注目されるのが、新憲法制定議員同盟の動向です。これが、海外派兵恒久法と並んで行われていることを見なければいけない。海外派兵恒久法のほうは、正面に立っているのが政府、与党のプロジェクトチーム、それから自民党の中での山崎拓さんを頭とした合同チームです。それに対して、自民党の憲法調査会を改組した憲法審議会、この人たちが明文改憲戦略で推進する。解釈改憲と明文改憲で分業体制が成り立っています。しかし、明文改憲のほうは、タカ派がまた再び安倍政権時と同じように復活したかと言うとそうではない。明文改憲の方でも新しい動きが現われています。
 新憲法制定議員同盟が、3月4日に総会を開きました。大きく言って2つのねらいがあります。1つは、明文改憲の機運がこれで終わりだ、福田政権ではもうやれない、次の政権もやれないという雰囲気になっていますが、そういう状況に対して、もう一度明文改憲の機運を起こすということです。同時に、安倍政権の失敗を踏まえて、明文改憲戦略を再編成することです。安倍の最大の敗因は民主党を敵に回したことですから、新憲法制定議員同盟の再編は民主党を巻き込むというねらいがあります。
 そこで、3つの新しい特徴が生まれました。1つは民主党議員と執行部を取り込んだことです。鳩山由紀夫さんに中曽根さんが直々に電話をかけたと言われていますけが、とにかく民主党幹事長の鳩山さんが、民主党員は十数人しか入ってない中で、新憲法制定議員同盟の顧問に就任したわけです。
 これは民主党が、小沢がいなくなった後は協調に復帰しますよ、明文改憲に参加しますということを示している。テロ対策特措法の延長や構造改革に反対と言っている民主党の幹事長が、改憲のための議員同盟の顧問に就任するなんてのは常識では考えられないことです。新憲法制定議員同盟としては、ウハウハですよね。
 もう1人のこのこ入ったのが前原誠司さんです。前原さんは、民主党の副代表ですが議員同盟の副会長になった。前原さんも悩んだと思いますがここは入ったほうが得だと思ったんでしょうね。改憲問題は、自民と民主の大連立でやると思ったから彼は入ったと思います。そういう意味で言えば、第一の特徴は民主党をとにかく巻き込んだ。国民新党の亀井静香も顧問に就任した。これは、明らかに超党派で行くぞっていうことですね。

2、自民党幹部の取り込み
 あんまり注目されていませんが、2番目の特徴は、自民党幹部を取り込んだことです。これまた、非常に重要です。自民党が中心の新憲法制定議員同盟で何で自民党の幹部を取り込むのか、だけどこれが重要です。新任の顧問に伊吹文明自民党幹事長と民主党の幹事長が仲良く新しくなった。いままで伊吹は入ってなかった。谷垣政調会長も顧問に就任した。石原伸晃さんも副会長に就任した。自民党の政権中枢の幹事長と政調会長を入れて顧問にしたことは、いまの自民党政権に明文改憲から逃がさない、責任をとってもらうという手を打ったのです。
 新憲法制定議員同盟は改憲オタクの集団ではなく、民主党の幹部も入れる、自民党が打って一丸としてこれを支えるという体制をわざわざ作らせた。つまり福田政権を明文改憲で逃がさない、縛るっていうのがもう1つのポイントです。
 
3、地方支部づくり−「九条の会」への対抗
 3番目の特徴は、国民運動を展開するということです。そのために議員同盟では、地方支部を作ることを提起しています。3回か4回、「九条の会」との言葉が、あいさつの中や講演の中で出てきたといわれています。護憲派は「九条の会」を作った。我々も「九条の会」のような国民運動を起こさなければ負ける、改憲はできないんだということを言っているわけです。
 中山太郎さんは、ヨーロッパに行って「9条の会」を宣伝してくれているわけですね。日本には「九条の会」という護憲の団体があって、非常に強力な活動をしていますと、共産党の議員がいる前であいさつをしたという。そのくらいに彼らは警戒をしているわけです。国民運動を起こさなければ、いくら安倍が任期中に改憲するぞと言ったって、あっけなく倒れてしまうという反省が非常に強かった。そこで、地方支部を作る。しかし地方支部はそう簡単にできないから、自民党支部を地方支部にするという、いいかげんなことを言っています。とにかく国民運動をやらなければいけないとの決意だけは明らかにです。大連立で強行突破することを念頭に置きながら、海外派兵恒久法と新憲法制定議員同盟をクルマの両輪にしながら、福田政権は改憲問題に新たに取り組もうとしているというのがいまの状況です。


此改憲をめぐる綱引きの現状と改憲阻止の展望

1、改憲阻止の展望と海外派兵恒久法とのたたかいの重要性
 改憲をめぐる現状と改憲を阻止するためにどんなことをしたらいいを最後にお話をします。

(1)改憲反対の運動の影響力に対する確信を
 第一にまず強調したいのは、私たちのこの間の運動が、マスコミはあまり書きませんが、明らかに力を持っていて、さまざまな地域における運動を通じて、国民世論に影響を与え、最終的には参議院における民主党の勝利という形でありますけれども、改憲に大きな歯止めをかけたということを、私たちの自信にしなければいけないと思います。
 民主党が選挙目当てに方針を変えるに際し民主党は右に変えることもできたし、「左」に変えることもできた。それを左に変えたことは、国民の動向を民主党が読んだってことです。そのときに7,000の「九条の会」の力は間違いなく影響していると思います。世論調査にも影響している。
 その証拠に、改選され参議院議員になった民主党議員の実に7割は、アンケート調査で9条の改憲に反対と答えている。これは民主党の党是と違います。各民主党の議員は地方で参議院選挙を勝ち抜いてきたんですね。その結果、彼らは国民の改憲に対する反対の気分を国会に持ち込んだ。そこで高揚したところで、アンケート調査したわけです。それでみんな反対だって答えた。改憲を打ちだしている民主党としてはまずいじゃないかと言う前に答えちゃったわけです。ここは公明党の新人議員が党の指令の下みんなが同じ答えをしたのとまったく違います。民主党は、それだけ直接に国民の影響を受けてきている。

(2)海外派兵恒久法反対の戦いを焦点に
 私たちが運動によって事態を変えることができるという確信をまずはっきりさせる。その上で一安心してはいけないっていう話を次にしたいと思います。改憲を阻む展望は出たんだけど、政府・与党は、クルマの両輪である解釈改憲・海外派兵恒久法と新憲法制定議員同盟で改憲陣営を立て直そうとしています。特に海外派兵恒久法は、今国会末に出して臨時国会で通すということを至上命令にして、何が何でも民主党を巻き込みながら今年末までに通すとの固い決意のもとにやろうとしている。これをつぶすことによって、本当の意味で改憲に大きな打撃を与えることができる。もしこれを通したら、改憲の新しい突破口が開かれるわけです。海外派兵恒久法をどうするかが、いまの最大の焦点だし、分岐点になるということをはっきりと見なければいけない。
 明文改憲が後れたからといって解釈改憲で逃したら、もう一度明文改憲で息を吹き返す。ここで息を吹き返させないで、本当に息の根を止めることができるかどうかっていうのは、この海外派兵恒久法とのたたかいにかかっている。これをつぶすようなことになったら、改憲は大きなダメージを二連発で食らうことになりますから、だれが総理大臣になっても改憲は難しくなると思います。
 改憲派は必死でやってくので、私たちも必死にたたかわなきゃいけませんが、彼らに矛盾もある。いま改憲どころの騒ぎではない。海外派兵恒久法を制定するための与党プロジェクトチームが、2月に立ち上げる予定が、イージスの問題や沖縄の問題でできてない。国民が怒っているところで、海外派兵恒久法は出せないんです。こういう状況を作り、構造改革に反対する運動を大きく広げれば、彼らはコソコソと出したり引っ込めたりということをせざるを得ない。出せない状況を作るっていう運動も必要だ。海外派兵恒久法が出てきたら、それに本当に機敏に対処することも必要だし、恒久法のねらいを明らかにしこれをつぶさなきゃいけない。これが第一番目です。

2、改憲阻止の取り組みのバージョンアップを
 2番目に、改憲阻止運動をもっと大きな輪にする必要があるという点です。改憲阻止運動もバージョンアップする。新憲法制定議員同盟に「九条の会」を褒めていただいていますが、私たちの運動もまだまだ第一歩だと思います。しかも、改憲手続法を通してしまいましたので、改憲の車の両輪はできているのです。彼らが本気でやる気になったら、この両輪を回転させることはできる。民主党さえ巻き込めば回転させることができる。その点で、私たちは、依然として改憲問題については、のど首に刃を突き付けられている状態だということは見逃すわけにはいきません。
 「九条の会」は確かに7,000できました。しかし、まだまだ国民の過半数との点からいけば、第一歩に過ぎない。戦後60年の中で、こんな運動をやったことがありません。だけど、この主力はまだまだ40歳代以上に見えます。学生たちの取り組みをはじめいろいろな取り組みがなされてはいますが、構造改革の中で最も痛みを受けている若者たちを本格的に立ち上がらせるという点では、まだまだ不十分です。
 それから、自衛隊反対の人たちがいま結集している。しかし、阪神淡路大震災や新潟の震災のときに頑張ってくれる自衛隊は必要かもしれない、もしかして中国や北朝鮮が責めて来たら戦ってくれるかもしれない、そういう期待をしてる人は国民の7割、8割います。同時に、その国民の多くは、「自衛隊には頑張ってもらいたいけど、自衛隊が人を殺してもらいたくない、海外に出て行って戦争してもらいたくない」とも思っている。だからこそ、9条改憲反対が過半数を超えています。この人たちを結集する必要があります。この人たちは自民党や民主党、公明党の支持者であったりする。そういう状況をふまえて、私たちは、大きな一致点で、広く集うことが必要です。自衛隊を認めても、再び自衛隊が海外で戦争できる軍隊になるために9条を改憲する、この点で反対しようじゃないか。ここまで大きく輪を広げなければ、国民の過半数にはならない。いまの「九条の会」の参加者の多くは、自衛隊は違憲だ、あれは戦争する軍隊と思っている人たちです。もっと広げるには、自衛隊はいいけど、その戦争できる軍隊にすることだけは反対だという、そういう運動が必要と思います。
 そのためには良心的な保守層の人々とも手を組む必要があります。1つのエピソードを紹介します。3年前に私は野中広務さんと「自治と分権」という雑誌で対談をしました。そのときは2人でした。今年の2月、もう1回、野中さんと、今度は大阪の市民の前で対談をしました。野中さんと私の間では、大きな意見の違いがさまざまあります。それを踏まえた上で野中さんも来てくれて対話をしました。
 野中さんが、3年前よりももっとはっきりと市民の前で言ったことは、私は、自衛隊は憲法違反であるとは考えていない。だけど、私の目の黒いうちは、再び大東亜戦争のような戦争に若い人たちを連れていく、これには絶対に反対だ、体を張っても反対するという点です。多くの拍手が出ました。「あなたたちは、私に対して厳しい人たちでしょう」と、彼は冗談めかしていっていましたが、その人たちの前ではっきりとそう言った。彼も「戦後」が壊されることに対して危機感を持っていました。彼は、自民党の若い人たち、若い自民党の議員さんたちは、その点がまったくわかっていないと言いました。保守の中でも、亡くなった箕輪さんも後藤田正晴さんもそうだったと思います。河野洋平さんも恐らくそうでしょう。そういう人たちのまわりには、多くのそう考える人たちがいる、その人たちと一緒に改憲反対の大きな一致点で「九条の会」で共同していく、こういう運動ができるかどうか、それがカギだと思います。そういう意味では、自民党の中山太郎さんが言っている「九条の会」はすばらしいねなんていうことにとどまっていてはならない。彼らも国民の過半数を動員しようとしている。我々も国民の過半数を本当に結集する。どちらが過半数を結集するかって、大きなたたかいがこれからやってくるだろうと思います。
 バージョンアップのもう1つの問題は、「9条の会」だけにあまり重荷を負わせないでほしいということです。「九条の会」は、いろんな意見の相違はある。例えば「九条の会」に参加している人たちの中には、国民投票には賛成だ、改憲手続法を作るのには賛成という人もいる。大いに議論をして投票をやろうじゃないかという人もいる。だけど、9条を変えて戦争できる軍隊にすることには反対するという一致点で、多くの人たちは立ち上がったのです。そして、7,000の会はそういう形で大きな輪をつくっている。これはひとみのように守らなければいけない。だけど、それだけで足りますか。
 「九条の会」の事務局にもいろいろな意見が寄せられています。チベットの問題で抗議声明を出すべきではないかとか、改憲手続法反対で声明を出すべきだとか、さまざまな意見が寄せられます。事務局でもいろいろ議論をしながら、そういうことはできませんとお答えしています。9条の改憲反対の一点で大きな輪をつくることが「九条の会」の本当の任務だからです。多いに議論をし、学習会は開くべきではないかと思いますが、一致点は広くとらなければならないと思います。
 じゃあ海外派兵恒久法に対して、改憲手続法に対して誰が闘うのか。それは共同センターであり、各地の憲法会議、全労連であり、さまざまな市民が闘わなきゃいけない。そうした運動は「九条の会」を支えると同時に、独自にいろんな形で国民に訴えて、初めて「九条の会」の輪が大きくなります。共同センターなどが、国民の前にいち早く問題提起をし、訴えの先頭に立って、いまの改憲問題について事情を明らかにし、市民に対して説明するような運動が不可欠です。「九条の会」にあんまり重荷を負わせないで、「九条の会」をもっと広く大きくするためにも共同センターのたたかいの重要性を訴えて、私の講演を終わります。
本講演録は、渡辺治氏(一橋大学大学院教授)が3月27日の憲法改悪反対共同センター主催の「学習講演会」で「憲法をめぐる現局面と海外派兵恒久法」と題しておこなった講演を事務局の責任でまとめ渡辺治氏の了解を得たものです。


自民大敗で変化する改憲をめぐる情勢/スケジュールに大きな狂い/テロ特措法が秋の焦点に


いよいよ国会が開会しました。参院選の結果、憲法改悪をめぐる動きは今後どうなるのか。九条の会事務局の渡辺治一橋大学教授に聞きました。
参院選の自民大敗の原因は二つあります。ひとつは「構造改革」によって切り捨てられた 地方の農業・地場産業層と、逆に「構造改革」の一層の推進を求める大都市部の大企業の 中間管理職層、ホワイトカラー層の両方が―実はこの二つが発足時の安倍政権の支持基盤だったのです―安倍政権にノーを突きつけたことです。

民主抱き込みに大きなダメージ

もう一つは、教育基本法改悪、改憲手続き法強行に現れた安倍政権の改憲・タカ派路線に 対する国民の警戒心が表明されたことです。この大敗で、憲法をめぐる情勢も大きく変化しました。
第一は明文改憲のスケジュールに大きな狂いが生じたことです。
明文改憲に必要な衆参の三分の二の賛成を得るためには、民主党を抱き込まなければいけません。 ところが今回の民主党は、改憲間題では逃げましたが、テロ対策特別措置法の延長反対、イラクの自衛隊の撤兵など反軍事大国の路線をうち出して躍進しています。
共同通信の調査によると、今回当選した民主党議員の68.5%が九条改憲に反対です。 注目すべき数字です。民主党全体は改憲の党ですが、今回の当選者だけ取ってみると、選挙の雰囲気を象徴しています。
とくに、通常国会で安倍自民党が改憲手続き法の採決を強行したことからいっても、民主党としても、 おいそれと明文改憲の協議にむけて自民党の誘いに乗れない状況です。設置が予定されている 参院憲法審査会では会長は民主党議員がなるからには一層国民の声を無視できません。
安倍首相は決して明文改憲をあきらめたわけではありませんが、憲法審査会を使いながら、 改憲手続き法の三年後の施行を待って一気に民主党も巻きこんで改憲案を出すという思惑に大きなダメージを受けたのは明らかです。

「恒久派兵法」で解釈改憲を追求

情勢の二番目の特徴ですが、明文改憲がすぐには難しいとなると安倍政権としては解釈改憲を 前面に出さざるを得ないことです。もともと安倍政権は明文改憲と同時に解釈改憲をも並行して追求してきました。
集団的自衛権の解釈見直しのため「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」 (座長・柳井俊二前駐米大使)を四月に立ち上げたのです。その答申がこの秋に出るのを受けて、 安倍政権は来年の通常国会で集団的自衛権を容認し米軍の後方支援を強化する安保基本法、 恒久派兵法をたくらんでいました。ところがこちらの方も与党の大敗北で大きな困難を抱えざるを得なくなっています。
一つは公明党が非常に消極的になっています。背景には安借首相の改憲姿勢が選挙敗北の 原因ではないかという判断があります。もう一つは民主党です。先の共同通信のアンケートで 集団的自衛権を認めるべきだという民主党の当選者は24.5%しかいません。民主党は従来から、 国連決議もないままにアメリカと一緒に戦争することはさすがにできない、集団的自衛権の行使は認められないという見解を出しています。
こうなると解釈改憲の方もなかなか難しい。秋に懇談会報告が出てもすぐの具体化は無理じゃないかと思います。

「しんぶん赤旗」2007年9月11日付9面より

「安倍政権は日本をどこへ導くか?
―改憲と構造改革のゆくえー」



映像はこちらから↓↓↓

はじめに 映像1

まとめ  映像2

レジュメは こちら

資 料は  こちら

日 時 2007年2月10日(土)   18:00〜
会 場 奈良県教育会館 4F大会議室
    (奈良県文化会館西隣)


新着情報

二度と戦争を起こさないために


戦争法案 わかりやすい映像をまとめました


大森政輔参考人 参議院 意見陳述 2015年9月8日 大森政輔 元内閣法局長官
伊藤真参考人 参議院 意見陳述 2015年9月8日 伊藤真 弁護士
あかりちゃんVSヒゲの隊長 【あかりちゃん】ヒゲの隊長に教えてあげてみた
衆議院憲法審査会で三参考人違憲 長谷部恭男、小林節、笹田栄治参考人
砂川事件判決とは?
(安倍総理ウソばっかりつかないで)
奥平康弘×木村草太×春名幹男

2015年9月12日更新 あやめ池学園南九条の会


元内閣法制局長官 「明白な違憲」と陳述


大森政輔さん(元内閣法制局長官) 9月8日参考人として意見陳述 参議院『平和安全特別委員会』



わたくしは、先般、行われました閣議決定の問題点を指摘することを通じて、その閣議決定が映しこまれた法案についての意見とさしていただきたいと思います。
しかも、時間の関係もございますので、今回は、集団的自衛権の行使は憲法9条の下で許容されるのかという問題と、他国の武力の行使との一体化に関する見解の、閣議決定による見解の変更は相当であるのかという2点に絞って意見を述べたいと思います。
まず、集団的自衛権の行使は憲法9条の下で許容されるのかという問題につき、申し上げたいと思いますが、日本国憲法が制定されまして、今日までの変遷を少したどってみたいと思いますが、 昭和20年代の全般、この時は、自衛権がそもそもあるのか、ないのかという議論で終始いたしました。ところが昭和25年、朝鮮動乱が起こりまして、日本の治安を事実上、 担保しておりましたアメリカ軍が、朝鮮半島に出兵いたしまして、日本国内は、治安の真空状態が生じたと。そこで警察予備隊が組織され、それが保安隊に組織改変されまして、 昭和29年7月の1日、自衛隊が創設されました。そこで当時、当時の内閣は、それまでの憲法9条の解釈を整理いたしまして、次のような内容にまとめたわけでございます。

これは当時の法制局の説明によりますと、決して、憲法解釈の内容を変えたんではないんだと、いろいろ行われてきた解釈を整理したんだということになっております。
これをどう評価するか、これはまた別の機会の問題でございまして、この昭和29年7月の1日、自衛隊の創設に際して整理された旧憲法9条の概要を申し上げますと、

第一点は、憲法9条1項は国際紛争を解決する手段としての戦争、武力による威嚇、又は武力の行使を禁じているが、独立国家に固有の自衛権までも否定する趣旨のものとは解されないと。

第二点は、同条2項は戦力の保持を禁止しているが、自衛隊の行使を、自衛権の行使を裏づける、自衛のための最小限度の実力を保持することまでも禁止する趣旨ではなく、 この限度を超える実力を保持することを禁ずるものであると。

そして第三点といたしまして、自衛隊は我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つための不可欠の機関であって、右の限度内の実力機関であるから違憲ではないと、 この三点に整理して、それ以来、憲法学の研究者の中には、自衛隊自体の違憲性に関する議論も交わされてはいましたけれども、政府におきましては、上記、整理された見解を今日まで堅持し、 その保有は認容できるが、その行使、集団的自衛権の行使については、政府を含めて否定すべきものである、政府を含めて否定すべきものであることがその都度、確認され、 今日まで一貫して堅持されてきたわけでございます。

それを承知をした言辞が、たとえばこの事項は集団的自衛権の行使にあたるから、憲法9条に抵触し認められないのではないかと。
このように、あたかも集団的自衛権の行使が、憲法9条に違反する典型行為であるが、あることを前提とするようなかたちで議論がなされてきたわけでございます。
したがいまして、本件閣議決定による集団的自衛権の行使認容は、超えることはできない憲法則ともいうべき基本原則からの重大な逸脱であると言わなければなりません

次に、この先般の閣議決定におきましては、論理的整合性、論理的帰結、基本的な論理の枠内、合理的な当てはめの結果などという、それを個々に考えてみますと、 意味不分明な概念を設定し、集団的自衛権の行使認容を、その合理的な当てはめの結果として、憲法9条が認める自衛のための措置にあたるものだと主張してるわけでございます。
これはたぶん、個別的自衛権と集団的自衛権を同質のものとして、同次元の存在における必要性の区分に留まるとして、憲法9条の下で集団的自衛権の行使を容認する伏線にしてるんではなかろうかと、推測するものでございます。
しかしながら、個別的自衛権と集団的自衛権は決して同質のものではなく、本質的な差異があるんだということを申し上げたいと思います

個別的自衛権の行使、すなわち、外国の武力攻撃によって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が損なわれる場合には、これを排除し、我が国の存立を全うし、 国民を守るために、他に適当な手段がない時に必要最小限度で武力の行使を行うということは、独立主権国家ならば、固有かつ先天的に有する自己保全のための自然的権能に基づくものであると解されまして、 憲法9条の下でも、当然に許されるものであると考えるわけでございます。

他方、集団的自衛権の行使、すなわち、我が国が武力攻撃を受けなくとも、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をした、発生した場合において、それを阻止するため、 当該他国の要請を受けて、武力攻撃を行う第三国に対して、我が国が武力行使を行うことができうるとされる国際上の権利につきましては、 武力攻撃を受けた他国との密接な関係と申しますのは、同盟条約などを根拠とするものでございまして、上記のような個別的自衛権とは異なり、 その権利の根拠、あるいはその内容というものは、他国との間の同盟、その他の関係の密接性により、後天的に発生し付与される内容をもつものでございます。

このように、集団的自衛権の行使につきましては、それが密接な関係にある当該他国の要請を受けて行われることが示すとおり、直接的には当該他国を防衛することを目的とするものであり、 『他国防衛権』、あるいは『他衛権』という用語を使った方が、その本質を端的に表すと考えるわけでございますが、 この『他国防衛権』の行使が、間接的には自国の平和と安全の確保に寄与することがありうるとしても、自国に対する武力攻撃を排除することを直接の目的とする個別的自衛権の行使とは本質的に異なるものでございます。

このように両者は別次元の事象である。本件閣議決定にいうような基本的論理の枠内における合理的な当てはめの結果として、単に同次元における必要性の程度に応じて、拒否の区分の線引きを移動させることはでき、 また移動させようとしたに留まるものでございません。

したがって、我が国を取り巻く国際環境、国際安全保障環境の変化を考慮しましても、憲法9条の下で、いずれの場合も我が国による武力の行使を許容できると判断することは、 これは内閣の『独断』でございまして、肯定できるものではございません

以上のとおり、集団的自衛権の行使は、今後とも憲法9条の下で許容できる余地はないのに、本件閣議決定において、憲法解釈の変更と称して、これを憲法9条の下で許容できるとして、 それを前提として各種の施策を講じようとすることは閣議が、内閣が閣議決定で成し得る範疇を超えた措置であると

したがって、その権能を超えたものとして無効と解すべきだと思います

したがって、これを前提として、自衛隊法の改正、その他、所要の措置を講ずることは到底、認められないと考える次第でございます。

そのほか、今回の、先般の閣議決定の内容には、多々、問題点がございますが、時間の関係もありますので、そのうちの数点を申し上げたいと思います。

まず、集団的自衛権行使限定要件の不明確性と言うものがあるわけですが、これは話せば長い話になりますので、また別の機会にいたしまして、 この〔新3要件〕の第一条件の後段、「明白な危険」という用語を使われております。
これについて、若干、わたくしの意見を申し上げたいですが、自公間の与党協議において、「根底から覆されるおそれ」という用語を入れようとしたことが新聞報道では言われております。
しかし、「根底から覆されるおそれ」では判断の客観性を確保できないとして、「明白な危険」とすることによって、与党協議が落着したようでございます。
しかしながら、単なる「危険」に「明白」という用語を付加しても、本来、危険の概念には、国語辞典等を紐解きますと「危害、又は損失の生じるおそれがあること」と。
「おそれがあること」という意味であるというふうに書かれております。この「おそれ」という不確定概念が本質的に含まれていると。
したがって、「明白」なる用語を被せましても、発生の不確実性を除去することは、用語の本質的意義から不可能であり、規定の運用者如何によっては、 その主観的判断の結果が、大きな差が生ずるということを否定できないんではなかろうかと、一言、申し上げたいと思います。

次に、集団的自衛権の行使と、その先制攻撃性という問題が、次に存在するわけですが、これはまた別の機会に申し上げることにいたしまして、

次に、先般、わたしなどはマスコミを通じてでございますが、法的安定性という問題について、その議論が戦わされたことがございます。
これもぜひ、申し上げたいんですが、これものちほどにいたしまして、
その次が最高裁、〔砂川判決〕と集団的自衛権行使の関係でございます。
これはぜひ、わたくしは申し上げたい。そして理解をいただきたいと思う次第でございます。
すなわち、最高裁は〔砂川判決〕中で、集団的自衛権行使を合憲と認めているかという問題でございます。
この裁判の実務に関係する法曹、放送局の放送じゃなくて専門家という意味でございますが、法曹の間では、最高裁〔砂川判決〕が集団的自衛権の合憲性の有無まで射程範囲にしてるものではないということにつきましては、 何ら異議はございません。
砂川事件で問題となりましたのは、旧日米安保条約に基づく米軍駐留の合憲性、これが問題になりまして、同条約は、日本の個別的自衛権と、アメリカの集団的自衛権との組み合わせで日本を防衛しようとするもので、 同判決において、我が国が集団的自衛権を行使できるか否かという点はまったく争点となっていないのでございます
ところが、この判決理由中の数行から、数行を引き出しまして、それに独自の考え方を入れて、「最高裁も集団的自衛権の行使を認めてる」という説がかなり広まり、 それがかなりの力をもって、当面の論争を左右しようとしていると、この点は非常に問題でございます。

この最高裁判決の先例としての価値、つまり当該先例から引き出される一般法理が何かというのは、あくまで、いかなる具体的争点に対してなされた判決かということに即して決まるものでございます。
〔砂川判決〕から集団的自衛権の行使は合憲であるとの結論が導かれるとの主張は、こうした法律学の基本の理解に関係するものでございまして、到底、そういうことができるものではございません。
この判決に集団的自衛権の行使を許容する最高裁の意図を読み込むことは、まったくの暴論でございます。
この暴論というのは、この傍らの論じゃございませんで、バイオレンスの「暴」でございます。なぜ、このようにわたしが、足りない、少ない時間を費やしたかと申しますと、 この最高裁は集団的自衛権行使を合憲と判断してるんだという事実じゃないことを、言葉を信じて、本件閣議決定を支持している者が相当数に上ると推測されます。
しかし、このように国民を誤って導くに至ったことは非常に遺憾でございまして、本来は、内閣法制局はそれを是正しなかったというところに発端があるわけでございまして、 わたしは内閣法制局にずいぶん長い間いたわけでございますけども、これは内閣法制局も任務の懈怠であると言わなければなりません。

ぜひ後輩、現役の人たちは、これを耳に入れ、頭に叩き込んで、もう一度、考えてもらいたいものであると思います。

次に、この閣議決定と、閣議決定をめぐる議論を聞いておりますと、文言の、文言、すなわち表示と、表示者の意思というものが齟齬してると言わざるを得ないと。
これも、そういうことで…。

最後に、ここだけはぜひ、お願いしたいと思いますが、国際紛争への積極的関与の端緒になるおそれがあるんだということでございます。
また、我が国が集団的自衛権の行使として、武力行使をしている第三国に武力攻撃の矛先を向けますと、その第三国は反撃の正当な理由の有無にかかわらず、 事実上、我が国に対し、攻撃の矛先を向けてくることは必需でございまして、集団的自衛権の抑止力以上に紛争に巻き込まれる危険を覚悟しなければならず、 バラ色の局面到来は到底、期待できないことを自覚しなければならないのではなかろうかと。

したがいまして、集団的自衛権の行使は、このような事態の発生可能性を伴うものでございますから、それを国策として採用することが、我が国の平和と安定のため、 確保のために必要であるとすれば、憲法上、明文をもって用意されている憲法改正手続きにのせ、全国民的検討をうることが求められると言わざるを得ません。

本来はもう少し申し上げたい点があるんですが、最後にひと言、申し上げたいと思います。
それは冒頭に申し上げました他国の武力の行使との一体化の問題でございます。
この問題、これは、大体どういう考え方であるかというのはすでに、この当委員会で充分に議論されたと思いますが、今回の閣議決定、この一体化に関する閣議決定の問題点は二点ございます。

その一点は、この戦闘現場と非戦闘現場を一線で画することの非現実性という問題と、それから支援活動内容の拡大が、武力の行使との一体化の縮小をきたす見解になっているという点でございます。
それぞれの、ぜひ申し上げたいことが二点あるわけでございますが、また、ご関心のある方が質問をしていただきますれば、その際に充分の考えるところを申し述べたいと思います。
ずいぶん時間が超過いたしまして、どうも失礼しました。

2015年9月11日 あやめ池学園南九条の会


憲法の大原則変更は 国民の支持なく不可能


那須弘平さん(元最高裁判事) 安保法案を批判



参議院で審議中の安保関連法案(戦争法案)について、広範な法 曹界の人々から反対の声が上がっています。
元最高裁判所判事の那須弘平弁護士に見解を聞きました。 (聞き手・山沢猛)
−安保法案のうち、集団的自衛権を認める部分については「法律的にも政治的にも認められない」と、日 本弁護士連合会の集会で発言されています。

 言うべき責任

 那須 私は中立公正を本質とする最高裁の判事の職にあ ったことを考慮し、単なる政策の当否に関する政治問題については、発言を控えてきま した。しかし、国を運営する元となる憲法の大原則に深刻な変更が加えられるとすれば、全く別の問題になりま す。法律家として、いうべきことをきちんという社会的責任がある、と考えます。
 今回、安倍内閣によって憲法解釈の変更がおこなわれ、これを踏まえて安保法案が提 出されたわけですが、一内閣が閣議決定でこれまでの憲法解釈を変更することには限界 があるはずです。
まず、その解釈変更について、これを必要とする緊急、重大かつ明白な事態が現に起きているの か、あるいは起きようとしているのかが問題になりますが、そうした事実の指摘もなされていません。

 また、1972年の政府見解では、9条で自国の平和と安全を維持するための自衛の措置が禁じられていないとす る一方で、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」といっているわけですから、これまでの政府見解とも整合し ません。憲法解釈の変更は一般の法律と同様、あるいはそれ以上に論理的にすじみちが立っていなければいけないの に、あいまいなままです。
これでは、集団的自衛権の行使は違憲といわざるを得ません。

現状をみると

 さらに、論理的に説明がつけばそれでいいというものではありません。今回の憲法解 釈の変更は、実質的に憲法の基本原則に重要な変更を加えるものですから、国会で論議 をつくしたというだけでは足りない。
憲法改正には国民投票をやってその過半数の賛成が必要であるのと同じく、この種の解釈の変更も国民の多 数からの支持なしには不可能だというべきでしょう。
それには時間もかかるし、議論の深まりも必要です。現状をみると、今回の法案は国民の多数に支持されているとは言い 難く、今後ともほとんど不可能であると私は見ています。

−憲法解釈を変更する条件が備わっていない ということですね。

 那須 そのとおりです。尖閣列島、北朝鮮、あるいはホルムズ海峡等多 くの問題があり、これからも生じることでしょうが、これらは、軍事で解決しようとすればかえって マイナスになり日本の安全を脅かします。
外交で解決すべき問題です。憲法もそういうことを想定したうえで「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ること のないやうにすること」を決意し、これを憲法前文に明記しています。
 「国民を守るため」というのが政府の大義名分ですが、現実に個々の紛争で武力の行使をしたら 国民の一部である自衛隊員が命を失うことになります。その背後にいる国民を深刻な危険にさらす ことにもなります。

憲法前文の誓い

 −那須さんは憲法前文について、日本が「不戦を約束した誓いの言葉」であると理解し、 アメリカ独立宣言、フランス人権宣言に匹敵するといっていますが。

 那須 そうです。第2次世界大戦の悲惨な体験 の上に立ってできたのが日本国憲法であり、その魂ともいうべきものが憲法前文だと理解していま す。大戦で200万人をこえる兵士たちが異国に倒れて還(かえ)らなかった。一般国民も、原 爆、空襲などで命を落とし、財産を失った。周辺諸国の人々にも筆舌に尽くせぬ犠牲と被害を与え た。その日本が、滅亡の淵(ふち)まで追い詰められた後に、きわどいところで踏みとどまって反 省し、謝罪し、不戦を約束することで生き残ることを許された。その誓いの言葉が前文です。

 アメリカ独立宣言、フランス人権宣言はそれぞれが国民の尊い血と汗と涙と引き換えに築き上げ た新国の指導原理、ともいうべきものです。日本の憲法前文も新しい国づくりの原理をうたいあ げ、その後の国家経営の基本となり、そのように運営されてきました。憲法前文の理念なくして、 現在の日本はあり得なかった、という意味で共通するものがあると考えています。


 前文は法的拘束力を持たないというのが通説ですが、それとは別に制定当時の国民、あるいは将 来の国民に向けられた政治的文書としての意味があったことを無視してはならない。この前文がま ったく似ても似つかぬものに変えられてならないことは当然ですが、閣議決定という非正規の方法 で行われる場合であっても、前文の示す大原則に反したり、改変するようなことには賛成できませ ん。

良心に問うこと

 −憲法は国民の歴史的経験に根ざしているということですね。

 那須 前文の締めくくりには「日本国民は、 国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」とありま す。
 憲法の理念が破棄されようとしているいま、異国の戦場に散っていった兵士たち、戦火の中で非 業の死を遂げた国内外の人々にたいして、私たちはこの前文の誓いを十分に果たしたと胸を張っ て報告できる状況にあるのか。このことを政治家、法律家はもちろんのこと、国民一人ひとり が自身の良心に問うてみる必要があると思います。

那須弘平さん  なす・こうへい 1942年長野県伊那市生まれ。東大法学部卒業後、69年弁護士登録。88年日弁連常務理 事。2006年5月最高裁判事(12年2月定年退官)。現在、法律事務所顧問。

赤旗 2015.9.8より

2015年9月8日 あやめ池学園南九条の会


学園前あやめ池疋田西大寺・地区共同センター主催で 9月12日 市民宣伝


◇◇◇あやめ池学園南九条の会も積極的に参加します。◇◇◇

憲法違反の安全保障関連法案の廃案を求める行動


8月30日 JR奈良駅に集まった人人人

 

 

と き:2015年9月12日(土)午後4時から

 

ところ:あやめ池駅北口広場

 主催 学園前あやめ池疋田西大寺・地区共同センター

 
 

2015年9月5日 あやめ池学園南九条の会


奈良弁護士会主催で 市民集会・パレード


◇◇◇あやめ池学園南九条の会も積極的に参加します。◇◇◇

憲法違反の安全保障関連法案の廃案を求める行動


 

 と き:2015年8月22日(土)午後3時から午後5時
 

 ところ:奈良公園
 

 主催 奈良弁護士会
 共催 日本弁護士連合会(予定)
 
 

2015年8月18日 あやめ池学園南九条の会


学園前・あやめ池・伏見地区・西大寺地域 戦争法案反対共同センター


大宣伝・署名行動しました


 

 と き:2015年8月18日(火)午後2時から午後3時
 

 ところ:あやめ池南口周辺
 

 弁 士:吉川 好胤(あやめ池学園南九条の会)
 

2015年8月18日 あやめ池学園南九条の会


証言:戦後70年 抑留、仲間の死つらく /奈良


毎日新聞で報道!!!


 ◇藤堂勇さん(90)=奈良市  1945年3月に旧陸軍に召集され、旧満州(現中国東北部)に送られた。
 8月15日の玉音放送は兵舎の前に立っていたので聞こえなかったが、上官が泣いているのを見て終戦を知った。
 部隊では「皆殺しにされる」「捕虜として死ぬほどこき使われる」とうわさが飛び交い、かなりの脱走者も出た。

 私たちはソ連軍に武装解除され、シベリアに抑留された。冬の収容所はマイナス45度までになる。
 雪が積もる中、切った木材を運ぶ作業は本当につらかった。
 食事は具のないスープにパン1つ。あまりの空腹に野草を食べ嘔吐(おうと)し、ホースを口に突っ込まれて無理やり吐かせられたこともあった。
 想像を絶する重労働で、仲間が何人も衰弱死するのを見るのは本当にきつかった。
 

 私も靴下もはかずに作業をさせられ、右親指の先が凍傷になった。
 赤く腫れた患部を軍医にナイフで削り取られ、今でも親指の先は少し欠けている。

 2年11カ月の抑留を生き抜き、48年11月、復員した。
 引き揚げ船から神社などの風景が見えた時「日本に間違いない」と引き揚げ者同士で、抱き合って喜んだ。
 母らが待つ自宅にたどり着き「今帰って来たよ」と言った後は涙で言葉にならなかった。
 戦争はもう絶対にやりたくないし、このような悲しい歴史は二度と繰り返してはいけない。
 【聞き手・毎日新聞 芝村侑美】
 

毎日新聞は、継続的に奈良の戦争体験・記憶を報道されています。

2015年8月11日 あやめ池学園南九条の会


二度と再び戦争を起こさないために


「戦争法案」と「戦争体験」の学習会

37名の参加で成功


熱弁される宮尾弁護士
壮絶体験語る市民
閉会あいさつ(浜野滋代表世話人)

 

 と き:2015年7月11日(土)9時30分より
 

 ところ:なら西部公民館 5F 第2講座室
 

 講 師:宮尾耕二 弁護士(奈良弁護士会)
 
 

   お 話:シベリア抑留体験をされた市民の方  

 内 容:悲惨な戦争体験を知り、解釈改憲を許さない立場から、「戦争法案」の内容を学ぶ
 

  1 「戦争法案」について

   
    プレゼンレジュメ

    資料


  2 シベリア抑留体験を聞く

 入 場:無料  

 問合せ先:代表世話人 吉川 好胤 まで FAX 0742-44-0416  

 主 催:あやめ池学園南九条の会
 

2015年7月11日 あやめ池学園南九条の会


地域アピール



あやめ池 学園南 の地域から 世界に九条を輝かせましょう


「九条の会」アピール への 賛同の呼びかけ

・ 2004年6月10日井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、 澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子さんら九人のかたがたによる「九条の会」のアピールが 発表されました。私たちは、「平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて 憲法九条を激動する世界に輝かせたい」というこのアピールに心から賛同します。

・ 古都奈良は、世界遺産に登録された数々の文化遺産をはじめ、豊かな自然と歴史的遺産 をもっています。その遺産を守り、子子孫孫に伝えるためにも、この奈良から「戦争を しない」ことをうたった日本国憲法九条を守り世界に輝かせるために、ご一緒に声をあ げようではありませんか。

・ 武力による紛争の解決が、いかに非現実的であるかは昨今ますます明らかになっています。 私たちは、あやめ池 学園南 の地域にお住まいのみなさん、お勤めのみなさんが「九条の会」 のアピールに賛同していただけるよう呼びかけるとともに、ふたたび日本を戦争をする国に変 える「改憲」のくわだてを阻むために、一人ひとりができる、あらゆる努力を、 いますぐ始められるよう心から訴えます.

私たちは知っています。 先の大戦で、幾千万の人々が生きたくても死んでいった無念さを。 戦争では勝者も敗者もありません。

私たちは知っています。 今、「平和を守るために」憲法九条の改悪を許さない闘いが大切なことを。

私たちは、あやめ池 学園南の地域から、「九条の会」アピールへの賛同を呼びかけます。

日本国憲法前文と九条を現状のまま堅持することの賛同を広げます。

そのために、あらゆる立場の違いを超えて多くの人々と手をつなぎます。

私たちは、平和な未来を創るための事業に取り組むことを決意しました。

2006.6.25



日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。

ヒロシマ・ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって、五千万を越える人命を奪った第二次世界大戦。
この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のためであっても、武力を使うことを選択肢にすべきではないという教訓を導きだしました。
侵略戦争をしつづけることで、この戦争に多大な責任を負った日本は、 戦争放棄と戦力を持たないことを規定した九条を含む憲法を制定し、こうした世界の市民の意思を実現しようと決心しました。

しかるに憲法制定から半世紀以上を経たいま、九条を中心に日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。
その意図は、日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。
そのために、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束を実際上破ってきています。
また、非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています。
そして、子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするために、教育基本法をも変えようとしています。

これは、日本国憲法が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むものです。
私たちは、この転換を許すことはできません。

アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに非現実的であるかを、日々明らかにしています。
なにより武力の行使は、その国と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません。
一九九〇年代以降の地域紛争への大国による軍事介入も、紛争の有効な解決にはつながりませんでした。
だからこそ、東南アジアやヨーロッパ等では、紛争を、外交と話し合いによって解決するための、地域的枠組みを作る努力が強められています。

二〇世紀の教訓をふまえ、二一世紀の進路が問われているいま、 あらためて憲法九条を外交の基本にすえることの大切さがはっきりしてきています。

相手国が歓迎しない自衛隊の派兵を「国際貢献」などと言うのは、思い上がりでしかありません。
憲法九条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との友好と協力関係を発展させ、 アメリカとの軍事同盟だけを優先する外交を転換し、世界の歴史の流れに、自主性を発揮して 現実的にかかわっていくことが求められています。

憲法九条をもつこの国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学技術などの面からの協力ができるのです。

私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条を激動する世界に輝かせたいと考えます。
そのためには、この国の主権者である国民一人ひとりが、九条を持つ日 本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していくことが必要です。
それは、国の未来の在り方に対する、主権者の責任です。

日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、 「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。

2004年6月10日
井上 ひさし(作家)   梅原 猛(哲学者)   大江 健三郎(作家)
奥平 康弘(憲法研究者) 小田 実(作家)    加藤 周一(評論家)
  澤地 久枝(作家)    鶴見 俊輔(哲学者)  三木 睦子(国連婦人会)

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