あやめ池学園南 九条の会 - 奈良から憲法九条を守ろう


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第6回憲法講座

  2010.5.5


小森陽一

「九条の会」奈良などは、5月5日午後、奈良市・県文化会館小ホールで、小森陽一・九条の会事務局長(東大教授)を招いて第6回憲法講座を開催し、320名が参加しました。

講演「鳩山民主党政権と憲法九条のゆくえ」の中で、日米安保条約が軍事同盟と経済同盟の抱き合わせであることを小泉・安倍政権時の郵政民営化、国民投票法などで説明。
民主党の小沢一郎幹事長も、湾岸戦争時に「解釈改憲を忘れてはいけないと述べました。

「読売」の憲法世論調査で「改定しない方がよい」が近年増えているのは「全国の九条の会を草の根の力だ」とし、 北海道新聞の社説で「九条の会」は、「04年に作家の故井上ひさしさんらの呼び掛けにより、個人の自由な意思で憲法を「守り」「生かす」ことを目的に発足した。
賛同が広がり、全国で7507(4月集計)の「九条の会」が活動している。
友人同士の集まりから、学校や地域、職場、趣味のグループに至るまで、「憲法」を語り合うさまざまな交流が行われている。
国民の中のこうした動きは政治の方向に影響を与えるに違いない。
人びとが声を上げることで、その精神はいっそう生かされていく」と九条の会が評価されていることを紹介。
そのうえで「小学校区単位の九条の会をつくり、憲法を現実化する運動で平和な世界に変えよう」と強調しました。


◇ 講演レジュメ

鳩山民主党政権と憲法九条のゆくえ


小森陽一「九条の会」事務局長(東京大学教授)

I 自公政権崩壊を実現した草の根の力

 \験菁鵬と格差固定の新自由主義政策に対する有権者の審判
◆\験茲里垢戮討龍斌未砲ける憲法を実現する運動の成果
 主権者の意思が国政を変える新しい経験
ぁ〜陲虜運動の力が政府の方針を左右する(比例区定数削減の危険性)

供〃法九条をめぐる3つの争点

 ‘米安全保障体制と対米従属的外交政策を転換できるか
◆ー衛隊の海外派遣と連動した解釈改憲路線の阻止
「北朝鮮」問題を実質的に解決するための政策転換
ぁ峩緇鬚鮴犬す」ことが新しい自立した外交政策を開く道

掘ゞ緇鯡簑蠅鯲鮖謀にとらえ直す

〆拈鄒権と「第一次北朝鮮核開発危機」
∀儡濱鐐茲半沢一郎の解釈改憲
 小泉政権下の「北朝鮮」問題と自衛隊の海外派遣
つ鮮戦争以来の歴史過程の中で九条問題をとらえ直す

検ゞ緇鬚了彖曚世界を変える

 ヽ貿兩笋凌靴靴げ椎柔と被爆国日本の役割
◆]札国協議の最終目標は朝鮮戦争の講和条約を結ぶこと
 東アジアの新しい多国間安全保障の可能性
ぁゞ緇鬚鮗蕕蠕犬すことを軸に、憲法の各条文を現実化する草の根運動を

◇ そのほか : トークのメンバー  
    大久保哲夫「九条の会」奈良代表世話人 谷山清 憲法九条の会・生駒運営委員
    榎原恵子憲法9条メッセージプロジェクトメンバー 
    コーディネーター 西浦宏親飛鳥九条の会事務局長

◇ 主催 「九条の会」奈良、奈良市内九条の会


小森陽一氏が引用した「北海道新聞」社説はこちら↓

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北海道新聞 5/3社説
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憲法記念日 「平和」と「人権」生かして(5月3日)

きょうの憲法記念日は、日本国憲法の理念を確認し、いまの政治が憲法の目指す方向に合致しているかを点検する絶好の機会だ。
今年は日米安保条約改定50年の節目であり、折しも米軍普天間飛行場の移転が焦点となっている。一方、社会問題化した格差や貧困にどう対策を講じるかも重要である。
憲法の2本柱は、第9条の「戦争の放棄」に示された平和主義と、第11条の「基本的人権」の尊重だ。その精神を問題解決に生かしたい。
今月18日には改憲手続きを定めた国民投票法が施行される。憲法に向き合う国民の姿勢が試されることを忘れてはなるまい。

*鳩山政権の理念問う

鳩山由紀夫首相に聞きたいのは、どんな政治を目指して懸案に取り組んでいるかだ。
まず米軍普天間である。
この問題を見るとき、沖縄の米軍基地がイラクとアフガニスタンという二つの戦争に深く組み込まれていることを指摘したい。
自民党の小泉純一郎、安倍晋三の両政権は憲法改正を強く打ち出し、安倍首相は2007年に国民投票法を成立させた。
イラク戦争を支持し、自衛隊の現地派遣に踏み切った小泉政権以来の「対米軍事協力」の流れと無縁ではない。「任期中の改憲」を公言した安倍氏の狙いが、憲法9条の改正にあったことは明白だろう。

*鳩山政権の選択肢は二つだ。

「国際平和の希求」をうたう憲法の精神に基づき日本の平和外交を追求するか、それとも旧来の対米追随を続けるか−である。
想起すべきは航空自衛隊のイラクでの活動を9条違反と断じた名古屋高裁判決(08年)だ。憲法の平和主義を踏まえ、戦争への日本の加担に警鐘を鳴らしたと受け止めたい。
だが普天間をめぐる政権の対応は移転先探しに終始し、沖縄の基地縮小に及んでいない。冷戦後の米軍駐留の是非を含め、日米安保条約を根本から問い直すときではないか。
回り道のようでも、それが普天間問題を解決に導く原点となる。
格差や貧困も放置できない。
憲法前文の「平和のうちに生存する権利」とは、戦争放棄と基本的人権、生存権(第25条)が表裏一体であることを示している。
自殺者が12年連続で3万人を超え老人の孤独死も伝えられる。非正規切りで職と住まいを失った若者には将来への不安が深まっている。
憲法を空文にしてはなるまい。
「いのちを守りたい」と施政方針を述べた鳩山首相は、人間性を回復する政治に全力をあげるべきだ。

*解釈改憲を懸念する

鳩山首相は名うての改憲論者である。05年に著した「新憲法試案」では「自衛軍の保持」を明記し、集団的自衛権の行使も容認している。
就任後「ベストな国のあり方のための憲法をつくりたい」と改憲への意欲を語ったこともあるが、当面、具体化させる考えはないようだ。
首相がなすべきは改憲にエネルギーを注ぐことではあるまい。政権交代を選択した民意を踏まえ、社会の変革に力を尽くしてほしい。
懸念するのは民主党の小沢一郎幹事長が主導する内閣法制局長官の国会答弁禁止だ。今国会で関連法案の成立を目指すという。
内閣法制局は政府の憲法解釈を担ってきた。核心は平和主義と集団的自衛権の問題にある。自民党政権下ではイラクへの自衛隊派遣を「非戦闘地域なら合憲」とするなど、野党から解釈改憲との批判を浴びた。
だが集団的自衛権の行使や国連軍参加には抑制を利かせてきた。
小沢氏は自民党幹事長時代から、国連活動への参加なら武力行使を含んでも合憲だと主張し、違憲とする法制局と衝突してきた。
法律をつくってまで法制局を排除しようとするのは政権に都合が良い解釈で9条を骨抜きにする意図ではないか。それには賛成できない。

*希望は人びとの声に

憲法を生かすのは、国民の心構えにかかっている。憲法が保障する自由と権利は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」(第12条)からだ。
平和にせよ人権にせよ、憲法の精神を日常の暮らしに引き寄せ、具体的な問題として政治や行政に反映させることが大切だろう。
たとえば「九条の会」の運動だ。04年に作家の故井上ひさしさんらの呼び掛けにより、個人の自由な意思で憲法を「守り」「生かす」ことを目的に発足した。
賛同が広がり、北海道の496を含め全国で7507(4月集計)の「九条の会」が活動している。
友人同士の集まりから、学校や地域、職場、趣味のグループに至るまで、「憲法」を語り合うさまざまな交流が行われている。
国民の中のこうした動きは政治の方向に影響を与えるに違いない。
憲法は生活の身近にある。
人びとが声を上げることで、その精神はいっそう生かされていく。

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北海道新聞社説5/5
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首相沖縄訪問 辺野古案は公約に反する(5月5日)

米軍普天間飛行場を県内に移転する。沖縄を訪れた鳩山由紀夫首相がそうした意向を地元に伝えた。
決着期限とされた5月末まで残り1カ月を切り、普天間問題は重要な局面に差し掛かったと言える。
だが、首相が携えた政府方針は沖縄の人々が思い描いてきた解決からはほど遠いものだった。
「最低でも県外」−。昨年夏の衆院選で自ら主張した言葉に真っ向から反する内容だからだ。
沖縄への率直な謝罪も口にしたが、到底理解は得られまい。
公約に立ち戻り、ぎりぎりまで県外や国外の可能性を追求する。それが首相の責務である。

*普天間のたらい回し

この7カ月余りは空費されたのか。沖縄県民は落胆しながら鳩山首相の言葉を聞いたことだろう。
「すべてを県外にというのは現実的に難しい」。仲井真弘多知事との会談でそう語った。
知事は「県外移設を期待する声は高まっている」と訴えた。
沖縄には在日米軍基地の75%が集中する。過重な基地負担の軽減を首相公約に託したのは当然だ。
自公政権時代は普天間を名護市辺野古にある米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に移転する計画だった。
いま首相の念頭にあるのは場所を沖合に移し、工法を埋め立てからくい打ち桟橋方式に改める修正案だ。
同時に普天間駐留の米海兵隊員を最大で千人、鹿児島県・徳之島に移転させることを検討している。それでも「基地たらい回し」の構図には何ら変わりがない。
これは「辺野古」回帰であり、普天間移転に名を借りた米軍の新基地建設にほかならない。住民は事件、事故の危険性や日常的な騒音など新たな負担にさらされることになる。
辺野古の海には国の天然記念物ジュゴンが生息する。首相は現行の埋め立て方式を「自然に対する冒涜(ぼうとく)」だとまで語っていた。
修正案では海底に数千本もの鉄製支柱を打ち込み、その上を巨大な構造物で覆う。これが自然破壊でなくて何だろうか。
沿岸部には1800メートルの滑走路が計画され、海兵隊の次期主力機となる垂直離着陸機MV22オスプレーの配備に備えるという。
県民が求める基地の整理・縮小どころか増強につながる案ではないのか。「基地機能の一部」という首相発言がまやかしにも聞こえる。
さらに米軍や自衛隊の基地がない徳之島に訓練などを移転させれば、逆に機能は拡張される。
平和外交を掲げる日本の基本的立場に合致するとは思えない。

*海兵隊は必要なのか

「抑止力の維持」−。首相が普天間飛行場の県外、国外移転が困難な理由として真っ先に挙げたのは、米軍の論理そのものだった。
これまで政府内でどういう議論が行われてきたというのだろう。肝心な点が国民に知らされないままでは説得力を欠いている。
首相は野党時代から「常時駐留なき日米安保」を持論としてきた。
海兵隊の役割とは何か。沖縄駐留は日本防衛よりも中東などへの出撃をにらんだものではないのか。
日本周辺の脅威を冷静に分析し、沖縄に「攻撃兵力」を配備する必要性を見極めることが大事だ。
その上で安保体制と米軍基地を含め、冷戦後の「日米同盟」のあり方を検証し直す作業が求められる。
首相が持論を早々に封印して根本論議を回避してきたのは、民主党内で外交・安保政策が収斂(しゅうれん)せず政権の軸足が定まらないためだ。
「現行案が最善」という米側の言い分を突き崩せないまま決着期限が迫り、わずかの修正で歩み寄らざるを得なくなったのが実情だろう。

*民意踏まえ再検討を

政権交代の意義さえ問われかねない事態である。問題はいかに立て直しを図っていくかだ。
仲井真知事は首相との会談後に「県民の思いとずれがある。公約に従って検討してほしい」と注文した
。 地元合意なしに決定された現行案が、膠着(こうちゃく)状態に陥った現実を見据えた発言だろう。
知事は政府の対応を「断片情報ばかりで全体像が見えない」とも批判した。既成事実を積み重ね、なし崩し的に話を進める。その危険を感じ取ったからに違いない。
まず首相がなすべきは責任を持って最終的な政府案を取りまとめ、国民に対し明確に説明することだ。
稲嶺進名護市長は「修正案は受け入れられない」と明言した。この案では今後、沖縄との協議を進めることはできまい。地元了解を重視する米側との交渉もままならない。
原点に返り、再検討すべきだ。
県内市町村長との懇談で「5月末の決着期限にこだわらなくてよい」との意見が出た。粘り強く公約実現に努めてほしいという要望だ。地元の声を真摯(しんし)に聴き移転案を練り直すことが政府の最優先の課題である。



これは4月3日、九条の会福岡連絡会の5周年記念として「いのちと憲法を語る」音楽と講演のつどいでの小森陽一先生の講演記録です。

*  *  *

皆さんご存じのように、九条の会のアピールをだしたのが2004年の6月10日でした。
読売新聞という新聞社は、4月の第一週に、今も4月の一週ですよ、ここが大事なんです。
4月3日にこんな大きな集会が開かれているという、全国的な意味があるんです。

2004年4月第一週の世論調査の結果はですね、65%の人たちが「憲法変えた方がいい」と回答し、 「憲法変えない方がいい」という人が20%台でした。
このときに今本当の意味で、憲法9条をはじめとする日本国憲法を守るためだけではなくて、しっかり生かしてゆく日本国憲法を呼びかけて、 「一体いつ立ち上がるんだ」89年の長い生涯に、運動というものをなさったことの無かった、 亡くなられた加藤周一さんが「ここでやるしかない」という決心をされたんですね。

まず誰に最初に相談しますかと言ったら、大江健三郎くんだろうと言われた。

信頼感をたかめる人たちにはたらきかけ、あの9人の呼びかけ人や、九条の会のアピール文面で一致しました。
9条の会のアピール、お分かりでしょう。あの9人がどれだけ自己主張の強そうな人か、あの9人とまず同じ文面で一致するということは至難の技だったんです。

そして記者会見をしました。すべての新聞社の報道は黙殺でした。
その日のテレビのニュースでは、15秒の放送でした。15秒で一体なにが分かりますか。
ただ、老人がズラッと並んでいるだけ。翌日は、新聞はほとんどベタ記事です。ベタ記事というのは、ほんの数行です。
ですからもう、9人のお名前すら載らないんですよ。
「井上ひさしさんら9名」「大江健三郎さんら9名」、残り8人は「ら」一文字の中に押し込められている。

お分かりですね、2004年ですから、2003年3月にアメリカとイギリスがイラク攻撃をはじめて、 日本の小泉政権はそれに全面的に協力するというかたちで、陸上自衛隊を戦場に派兵してゆく、 「9条があるから国際貢献ができないんだ」と、その前から小沢一郎という政治家が言っていたフレーズが、 毎日のように報道されていたのが2004年です。
ですから、「憲法変えたがいいが65%」になっていたんです。そしてそもそも、小泉劇場がどうやって始まったかといえば、 先ほど品川正治さんがおっしゃった、危険な商品を売ってそれで崩壊すると分かって売ってるわけですからね、 崩壊したときには日本の郵便貯金と簡易保険を自分たちの救済策にあてるというために2001年に郵政民営化を 公約に掲げて小泉純一郎が総裁選に出た訳でしょ。
絶対アメリカは、橋本龍太郎にやらせたくなかったんですよ。
橋本龍太郎という政治家は総理大臣のときにあの「普天間基地を返還させる」ということを、 日米首脳会談で交渉した総理大臣であり、さらに外国人記者クラブの講演の後で、質問させ、 「最近はロシアも中国も経済力をつけていろいろな国の国債を買ったり売ったりする、しかし不思議なことに日本は双子の赤字をかかえている、 国家財政も赤字、貿易も赤字と、借金だらけだ、アメリカの国債をずっと買い続けて一度も売っていませんね、 何か特別な意味があるんですか」という記者クラブの質問が出た。
そこで橋本龍太郎は、日本語でね「私だって売りたいという、願望に駆られないことはない」と3重否定で答えた。
通訳が面倒くさいので「売りたい」と伝えた。それでアメリカの新聞で大バッシング。

岸信介が1960年に日米安保条約改定をしたあと、今年で改定50年ですね、改定した後、 軍事同盟のアメリカが、「ソ連の核の脅威に対して核の傘で日本を守る、この見返りに日本は毎年アメリカの経済要求を聞け」 郵政民営化、週休2日制みんなそうです、一体何百兆円損したか分かりません。
そういう中でアメリカの赤字国債を国の税金で毎年買わなければならないようになっているんですよ。
橋本は絶対総理大臣にさせたくないというあのころから、郵政民営化をねらっているアメリカの保険会社だったでしょう。
AIGグループ、AIUグループ、アリコ、アフダック。「ア」がついたのは要注意。

小泉が2002年に突然、北朝鮮を訪朝した後、日本人拉致問題でメデイアは大バッシングで、 「北朝鮮問題があるから日米安保条約体制を強化しなければならない。」 「アメリカの軍事行動に協力しなければならない」と、大宣伝をやっていたのが03年、04年なんです。

「9条の会」なんてもってのほかだったんです。だから小田実さんは、全国で講演会をやるしかない。
東京は7月24日だと、日にちまで決まっているんです。
何で7月24日ですかと聞いたら、9人がみんな空いてる日だというんですね。
さすが前衛的な活動家だと思いましたね。
でも東京に、千名以上入る会場がないんですよ。
そうしたら、ある宗教者から電話があって、私は某有名ホテルのオーナーと宗教的儀式をつかさどっている。
7月24日は宴会場が3部屋続きで空いている、これをぶち抜くと千名以上入る。
その某有名ホテルの名前を聞いて背筋が凍りましたね。運動がはじまって一日目ですから、お金って私の貯金ぐらいしかない。
そんなとこ借りられないと思ったら、しばし沈黙が続いたので、その宗教者の方は、「値段を心配でしょうが、私は十分できる額に値切りました」 宗教者が値切るのか、でこの運動のありかたの確信を持ちましたね。

そこからはじまって全国の主要都市で第2会場、第3会場を埋めるかたちで成功させ、そして2004年の年末、那覇でやりました。
琉球新報、一面報道。小田実さんは嬉しそうに朝のコーヒーを飲みながら、「久々に俺は一面を飾ったよ。」

そこから呼びかけに応えて、それぞれの地域の九条の会をつくっていただいて、2005年の3月、 福岡で「9条の会連絡会」が主催するところまできた訳ですね。2005年までに全国で九条の会が二千。

このときには小泉純一郎の郵政民営化は、「YESかNOかの国民騙し」に、国民はだまされてしまった。
衆議院では自民党と公明党が3分の2以上とって、いつでも憲法改悪できるという状況になったんですね。
そしてこの郵政選挙は9月11日でした。
その2ヶ月半後10月28日に自民党は「自民党新憲法草案」という明文改憲の案を出したんです。
そこで明確に9条2項つまり「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」 という戦力の不保持と「国の交戦権を認めない」というまさに日本国憲法の独自性を持っているこの条文を削りとって、 「自衛軍の保持」を明示した、この新憲法草案ができて、これが新聞に発表された2005年10月29日から 今問題になっている普天間基地の移設先を名護の辺野古にするとかいうことを含めた、世界的な規模における米軍の再編成の中で、 日本のアメリカ軍の基地をどう変えて行くのかという、協議が始まるんですよ。
何のための憲法改悪かということははっきりしてた。
アメリカの戦争の片代わりに日本人の命を、命の日本人の金でやる、それが明らかになってきた。

2005年はまだ全国で二千、2006年に四千を大きく九条の会が突破します。
2007年には六千を大きく突破します。毎年二千づつ地域の9条の会が増えてきた。

そして2007年自らの任期中に新憲法制定をする改憲を明確に方針に掲げた安倍政権、国会では改憲手続の国民投票法の委員会が強行されていた。
その2007年の4月第一週読売新聞の世論調査、で3年続けて「憲法変えない方がいいという人」が増えつづけている、 「憲法変えたほうがいいという人」が減り続けていると悔しそうな報道をしたんです。
3年続けてというのは、05年、06年、07年つまり9条の会が草の根で広がればその分だけ、はっきりと世論は「憲法を変えない方がいい」という人が増えて、 「変えた方がいい」という人が減るという状況が起きたんでしょう。

ですからこの報道があった10日後、当時の民主党の代表の小沢一郎が、安倍晋三政権が進める「憲法改悪路線」には乗らない、 当時国民投票法の議論がされていた「委員会」の民主党の理事をおろすわけです。

ここで安倍晋三は小沢民主党の支援をはずされたわけですね。ですから2007年7月19日の参議院選挙では民主党を中心にした野党が 参議院で多数になるという、ねじれ国会になったわけですね。
そしてその参議院選挙の2日後、小沢一郎が記者会見をして、安倍晋三政権が進めようとしている2001年のアフガニスタン戦争から 始まったインド洋でのアメリカ軍をはじめとする艦船に日本の税金で給油するという、テロ対策特措法がありますね、 その延長に反対すると言ったんです。しかも「憲法違反だ」といったんです。

私は小沢一郎という政治家の口から「憲法違反」という言葉がでるとは全く思っていませんでした。
だって小沢一郎こそが湾岸戦争のときに、会見で「完全武装で自衛隊をイラクに出してもいい」と言い出して、 「9条があるから国際貢献ができない。9条こそ、無くそう」というキャンペーンをしてきたわけでしょう。

ですから私たち九条の会の草の根の運動で、国民の世論を一つひとつ変えていった。
なかなか皆さんね、実感はないと思うんですよ。
でも、ちょっと考えてみてください、地域の9条の会が持続的に活動している。
その地域の人々はどいう日々の日常を送っているのか、たとえば9の日に自分たちの地元の電車の駅で毎月、 「九条守りましょう」とビラをまいたり宣伝をしているわけです。
ズーッとやってるわけですよ。
それを1年、2年と見ていると、北朝鮮でガタガタしても、自分も「9条守りましょうと言っていいんだな」と、 2年たち、3年たつと雰囲気が変わってくるわけですね。
これはね「継続は力なり」です。
だから段々署名をする人が増えていったりする。
自分の居住区で過半数の人たちに「九条絶対変えない」と実現したところは、街の雰囲気が違いますね。

12月8日に、住民の過半数を実現した長野県のある町にゆきました。
9条の会の講演会がおわって、居酒屋へいって、二次会でご苦労さま打ち上げしたんですね、そこのマスターが出てきてね、 「九条の会の事務局長小森さんですか」色紙持ってきてサインしてくれ、わたしは『九条の主張を世界に輝かせよう』と書いて、 小森陽一とね、芸能人と並んで、ああここまで、雰囲気が変わるんだ。

2008年の4月第一週の読売新聞の世論調査は悔しそうに、15年振りに「憲法変えない方がいい」という人が 「憲法変えた方がいい」という人を上回った。と報道していました。
15年振りにって大事ですね。

2008引く15、1993年。 最初の政権交代が自民党単独政権がくずれた細川護煕政権ができたときから、 その前に延々湾岸戦争に出なかったというので、「9条があるから国際貢献が出来ない」という世論を小沢一郎がつくって、 93年からクリントンが日米安保条約を継続させる為に、だって91年にソ連が崩壊しているわけですから、 もはやソ連の核の傘の脅威って無いわけでしょう、そのときにクリントンは北朝鮮を訪問した。 (米国人記者の救出)以来、「北朝鮮があるから9条は変えないといけないのではないか」というウソ。

これを転換したのが2008年。
世論というのは雰囲気や気分感情を含めたものです。
本当にわたし達が地域のひとりひとりの顔を見て、あのうちは大丈夫「九条を生かす人だ」とわかってつかんでいれば揺るぎませんよ。
でもそういう結びつきに成っていない所では、雰囲気で動いちゃう。
2009年去年は丁度4月第一週、北朝鮮がロケットを発射する。
これを日本は「ミサイル発射」という。当時の川村官房長官、「人工衛星が乗っていなかったからミサイル」といいます。違います。
人工衛星が乗っていれば人工衛星の発射、弾頭が乗っていればミサイルの発射、なにも乗っていなければただのロケットの発射。
それぞれの東北6県をミサイル防衛計画で、向こうが撃ってきたら、こちらからミサイルを打ち上げて落とすというんです。
無理ですよ。むこうから撃ってきたピストルの玉をね、こっちから打ち落とす。玉と玉をネ、当てて撃ち落とす。
誰ができるか、ゴルゴサーテ―ン位しかいない。
今笑った人はビックコミックを読んでいる。
そうゆうのを中継して、実況中継しているんですよ。ミサイルを打ち込むならば、まずミサイルを叩いてから打ち込む。
北朝鮮に実況中継してどうするんです。やる気ないのは明かです、ただ国民を騒がせているだけです。

そうやってね、号外まで出してねマスメデイアがあおりにあおってから、2010年もう一度「憲法変えた方がいい」という人が過半数になったんです。
まだ流動的なんです。
ですから私たちは、日米安保条約が本当に日本の安全のためなんですか、根源的な機運が、沖縄ではですよ、 全会派一致でアメリカの基地はもういらないと、普天間を返すだけで新しい基地はつくるなと言っているんですよ。
沖縄は完全にもう九条の会運動状態になっている。
こんなことは歴史上一度もなかった。今までそんなことを考えてみなかったことを、国民が毎日毎日、考える状態に来ているんです。

ですから今、私たちが九条を守るだけではなくて、本当に生かしてゆくかどう、日本という国のあり方に、 そしてアメリカとの関係を変えることができれば、さきほど品川さんがおっしゃたように、私たちが世界史を変えることが出来るんです。
日本では拉致問題しか言われていない、六カ国協議に北朝鮮がもどってくるかどうかの正念場ですね。
六カ国協議というのは日本では拉致問題しか報道されていませんが、めざしているのはまだ終わっていない。
1953年私が生まれた年に、休戦協定だけを結んだ朝鮮戦争の講和条約をアメリカと北朝鮮が結ぶというための交渉なんですよ。
なぜ講和条約を結んでないかというと、講和条約を結んじゃうと、日本にあれだけの米軍基地を置いている正当性が無くなるからなんです。
いま大きな決定的な転換点に来ているんです。
今こそ九条の会の出番なんです。
ここで私たちが手を抜くとですよ、なんとなく安倍さんやめて、もう明文改憲はでてこないんで大丈夫だ。
国民投票法出来たけど、そんなにすぐには出てこないだろう、この気をぬいていると、やっぱり世論は変わってしまうんですよ。
私たちが〃今こそ九条の会が出番なんだ〃と、お互い今日確認し合い、「九条守り生かす」ことこそが、最大の矛盾を変えてゆくことになる。
九条はじめ憲法を守ることが私たちが生き抜くことにつながってゆく。
そのことは、あの湯浅誠という、理論化であり活動家がすべての「法」からはじき出された人々、2008年から2009年の派遣村に 厚生労働省の前にこのまま放置されたら、私は人間として生きて行けないという人たちが、25条掲げて直接なんとかせよと国家に向かってゆく、 そういう場をつくったんです。
憲法というのは、私たち一人ひとり主権者である人間としての尊厳をもった、一人ひとりが国家を縛る法律だということ。

わたしたち、目にものみせてやろうではありませんか。ともに、がんばって行きましょう。

*  *  *



「九条の会」事務局長から新年のご挨拶


新しい年2007年は、日本国憲法が施行されて60周年です。
一人ひとりの個人が、この国の主権者となってから還暦をむかえるにいたった歴史を、本当に実らせる年にしたいと思います。
そして、全国に広がった「九条の会」の運動にこそ、この国の内実があることを、はっきり示していきたいと思います。

なぜなら、2006年は、憲法を改悪しようとする勢力が行ってきたことが、すべて虚であることが明らかになったからです。
耐震偽装問題、ライブドア問題、日銀総裁までが絡んだ村上ファンド問題、郵政民営化造反議員の自民党復党など、 すべての事件は、私的利益のために、うそとそらごとを積み重ねた結果起きたものです。

小泉純一郎政権の5年間は、「構造改革」という中身のないうつろな言葉の背後で、徹底した国民生活の破壊を行い、 とめどのない格差拡大社会にしてしまいました。
また、この5年間、アメリカのブッシュ政権が進めてきた「テロとの戦争」が、うそでぬり固められた 国際法違反の無法な殺戮であることが、当事者も認めざるをえない形で明らかになったのも2006年でした。
北朝鮮の核実験に対する国連安全保障理事会の決議は、「兵力を用いない」(国連憲章第41条) 平和的な外交交渉で問題を解決する制裁決議を全会一致で採択しました。
国際社会は、日本国憲法9条の心にこそ、国際紛争を解決する、最も現実的な力があることを選びとりはじめているのです。

しかし、安倍晋三政権は、こうした世界の流れに逆行する、9条2項を抹殺し、自衛隊を「自衛軍」にする 「新憲法制定」を今年の一斉地方選、参院選の争点にすると、2007年年頭に表明しました。
これほど憲法、とりわけ9条の問題をめぐる対決点が明確になっているからこそ、私たちの草の根からの運動の出番なのです。
一人ひとりがやれるあらゆる行動を通じて、主権者の実力を発揮していきましょう。

2007年1月
九条の会事務局長 小森陽一



小森陽一氏「九条の会」事務局長(東京大学教授)


  •  教育基本法は準憲法的な法律
教育基本法というのは、準憲法的な法律とよく言われています。
準憲法的な法律であると言われる要因は2つです。

1つは、憲法と同じように前文を持った法律であるということです。
どういうことかというと、それぞれの法律の条文に関してバラバラに勝手に解釈してはいけない、すべての 条文は前文で示されている考え方−難しく言うと「思想」ですが、それに基づいて解釈さ れなければならない。
つまり、前文で法律全体の基本的な考え方を明確にしてつくられた法律だから、準憲法的だと言われるわけです。

2つ目は、教育を通して憲法を実現する。
つまり、教育基本法がなければ憲法は現実のものにはならないー新しい憲法下における新 しい教育基本法に基づく教育は憲法を現実のものにしていく、その意味で準憲法的な法律 なわけです。
つまり、教育基本法がなければ憲法は現実化しない。憲法の現実性は教育基 本法が支えているという関係になっているわけです。

現行教育基本法の前文の第1段は「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で 文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。こ の理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」となっています。
政府の改正案「われらは、さきに、日本国憲法を確定し」、この言葉が削除されています。
そして、第1文の述語の「決意を示した」、この言葉が「願うものである」と、極めて弱々し いものに変えられています。
この「憲法を確定し」と「決意を」という言葉は、憲法の前文の第1文に出てくる大事な言葉なのです。
この言葉を削除することによって、2つとも前文を持った大事な法律だが、この前文ど おしのかかわり合いを切り離すということです。
日本国憲法前文との関係を断ち切るということが1番目のねらいだということです。

2番目は第2文、改正案では「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきも のである」という条文がばっさりと削られます。
教育基本法があって憲法が現実化するんだという関係を断ち切る。つまり憲法全体と 教育の関係をばっさりと切り捨てる、これが2番目のねらいですね。


  •  「教育の力にまつ」に込められた意味
ここで大事なのは、「根本において教育の力にまつ」という言い方ですね。この「まつ」 という言い方に、教育勅語的な教育観と180度違った考え方が組み込まれているわけで す。
1889年に大日本帝国憲法ができます。
絶対君主だった天皇が立憲君主になるわけで、相対的に権力が弱くなるわけですね。
ですから、天皇がもう一回国民全体に直接縛りをかけるということで、翌1890年に教育勅語 が出るわけです。

そのひとつの柱は、国民の心を支配するということですね。
心を支配して何をするかというと、戦争に動員するということです。
国家が一人ひとりの個人の心まで直接支配する、これが教育勅語的な教育です。

けれども日本国憲法第26条でははっきりと、「すべて国民は、法律の定めるところにより、 その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と、基本的人権−つまり、新た に日本国憲法で主権者になった個人の自発的な意思に基づく権利であると規定したわけで す。
だから国から押しつけるということではない。
「教育の力にまつ」というのは、国がどうこうするのではなくて、一人ひとりの主権者が自発的に、理想でしかなかった憲法を 現実の社会に定着させていく、それをずっとみんなで待ちましょうと。

ここに、自発性と自立性という教育の根本があります。
つまり、教え、育てるというのは、国家の命令とか行政機構を通してではない、一人ひとりの主権 者の権利に基づく自発的な行動である、それが言葉を操る生き物としての人間の、言葉を 使って教え、育てるということなんです。

言葉で教え、育てるわけですから、まず言葉を獲得しないとだめです。それは人間で言 うと基本的に2歳から5歳までです。ですから、子供が生まれた第1次集団としての家族 とか地域の言語能力によって、まず教育のベースがつくられます。
地域での公民館活動とか児童館活動とか図書館とか、全部教育なんですね。
そして、現代で一番大事なことは、日本で起きていることも世界のすべての問題 と絡んでいるから、情報がないと今自分の周りで何が起きているかわからない−ジャ−ナ リズムですね。マスメディア、新聞、ラジオ、テレビ。
基本的には自発的に読んだり見たりするわけですね。
ですから、自発的な言語活動によってできたときには、理想でしかない憲法を一つひとつ新たな法律をつくったりし て社会に定着していぐ。
それを全部、「教育の力にまつ」と言っているわけです。
これをばっさり切るということは、そういう日本の一人ひとりの主権者としての言語活動を通し て、憲法を現実のものにするということを一切やめさせてしまう−つまり、日本国憲法全 体と教育を切り離すということなんです。


  • 公務員が向く先は「国家」でなく「国民」
憲法第99条で、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、こ の憲法を尊重し擁護する義務を負う」とあるわけですね。
つまり、憲法によって縛られて、憲法を守らなければならないという義務を負う一点で、公務員は国家権力の方を向くので はなくて国民の方を向くという方向づけをさせられているわけですよね。

私は世田谷にある成城大学から東大に移った1992年4月1日に、辞令を渡すということで呼ばれました。
辞令を渡すという時に、もらいに行こうとしたらタダではくれないわけですね、別にお金を払うと いうのではなくて。
目の前に宣誓書があって、その宣誓書を大きな声で読み上げて署名捺印したものと引きかえにくれるのですね。

その宣誓書には「私は日本国憲法を遵守し、教育基本法を遵守して」とあり、その後に教 育基本法の第10条の文言が出てくるのです。「国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と。
それを宣言しないと東大の教師にはなれなかったのですね。
つまり、私が国民全体に責任を負って業務を遂行するということは、私は、総長や学部長の方 を見るのじゃなくて、学生やその保護者に責任を負ってやるんだ
ーつまり公務員は、上司の方を向いてしまったら国家権力の手先に成り下がるんです。
そうしてはいけない、そういうことになってきたから。
上からの命令でやりたくないこともやらされる。
国民を戦争に動員するソースとして使われてきた、そういうことは絶対にしないというのが、この「国 民全体に直接に責任を負って」です。ですから学校の先生は、校長は教育委員会の方を向 くのではなくて、自分のクラスの生徒とその保護者に責任を負いなさいということですよね。

この教育基本法の改悪は、多くの公立学校の先生が地方公務員です。それに対して、国 民の方に向くな、上司の命令を開けというまさに学校を通して上位下達の軍事的なピラ ミッド組織をつくろうとしている。
これが教育の場で通ったら、直ちに次は公務員ですよ。
つまりこの問題は、決して学校の中の教師と生徒の問題ではないということです。


  • 第1項と第2項があってこそ第9条
小森陽一 現行の憲法第9条が位置している第2章は、「戦争の放棄」となっています。
自民党案では、第2章は「安全保障」となっていますから、戦争の放棄を放棄する、これが最大のね らいだとおわかりですね。
自民党は、現行9条2項を全部切り捨てます。
国権の発動たる戦争を放棄するという第1項の宣言は、第2項の、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という戦力の 不保持と、「国の交戦権は、これを認めない」という交戦権の非、この二本柱で現実のものになるわけです。これを取ってしまったらお 題目だけです。

国権の発動たる戦争を放棄していても戦争はできるのです。
第二次世界大戦後、アメリカがやってきたのがこれです。
アメリカがやってきたのは、国連憲章に基づく制裁か国連憲章第51条に基づく自衛かのどちらかです。
21世紀の戦争の、アフガン攻撃はアフガニスタンに対する個別的自衛権の行使、イラク攻撃はイギリスとアメリカとの間の二国間軍事 同盟に基づく集団的自衛権の行使なのです。

つまり、国権の発動たる戦争ではない戦争をやり続ける体制をアメリカがつくろうとしている、ここがポイントです。
ですから、第l項はそのままでも戦争はやれるのだということですね。


  •  個人が国の統治権者になるためには 第9条が必要
では一人ひとりの主権者、国民が、個人として国に対する統治権を持つためには一体ど うしたらいいかというと、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやう にすることを決意し」、これは憲法第9条です。ここに「決意」という言葉が出てくるのです。

だから、教育基本法の前文から、「確定し」と「決意」を抜きたいというのは、この日本国憲法前文の第1文の思想との関係を 断ち切る、そういうねらいだということがはっきりとわかるわけですね。

なぜ、一人ひとりの個人が国の統治権者になるためには第9条が必要なのか。
これまでの国際法では、政府が、国権の発動たる戦争という、国家主権の最高時の発動として宣戦 布告をして戦争を行うことが容認されていたわけですね。
だから、政府の行為によって行われる戦争というのは、国権の発動たる戦争なのです。
それを放棄しないと、本当に一人ひとりの国民個人が主権者だとは言えないという思想を「人類普遍の原理」だと言ってい るのです。

これが第二次世界大戦の教訓なのですね。

日本軍が中国戦争において重慶を無差別爆撃したように、第二次世界大戦という戦争は、 軍産複合体によって、産業の拠点そのものが攻撃される戦争になったのです。
つまり、第二次世界大戦後は、もはや戦場なき戦争の時代に入ったのです。
昔の戦争というのは戦場があったのですよ。
関ケ原の戦いでいえば、関ケ原という人が余り住んでいないところを戦場にしていた。
でも、第二次世界大戦後の戦争というのは、非戦闘員が住んでいるすべての大都市が攻撃対象になるという戦場なき 戦争なのです。
その際たるものが広島と長崎への原爆の投下ですよね。

政府が宣戦布告をして戦争を始めれば、その国の国民一人ひとりは必ずその戦争の当事 者になります。
相手国に軍隊を送っているときには問題ないかもしれない。
けど、負けが込んできて相手国から敵国として攻撃されたら、その国の一人ひとりの個人に残されてい る選択肢は何ですか−逃げるか、殺されるか、どっちかですね。
逃げるか、殺されるか、2つにひとつの選択肢しかないような状況に陥らされた人間に、果たして国の統治権なんか 持てるかーあり得ないのだ、それが唯一の被爆国としてのこの国の教訓なわけです。

 

  •  憲法を行使し、発言し続けよう
では、政府の行為によって再び戦争をさせないためには何が必要なのか。
それは、「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保する」
−治安維持法体制化にはなかった言論の自由を始めとしたさまざまな自由を使ってこそ、確かに保ってこそ、政府の行為によ る戦争をやらせないことができる。
そうさせないためには、一人ひとりが、言論の自由、集会・結社の自由の全部を使って発言し続け なければならない。
だから、憲法第12条で、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しな ければならない」とあるわけですね。
「不断の努力」ですよ。

皆さんは公務員ですから、第99条で義務も負っているわけですね。
そのように生きてこられたでしょうかということが問われているわけですね。
今屈折した笑いが広がりましたが、今振り返って、そういう生き方を十分してこなかった、そう思われる方は遅くはない。
改めて第9条を持つ日本国憲法を選び直して、日々行使していく活動をやりましょうというのが、「九条の会」のアピールの最終段落、 主権者という言葉が二度も使われています。

今大事なことは、すべての攻撃は、一人ひとりの個人が主権者であることを奪い取ろう としている。それに対して、もう一度私たちが、主権者として生きていく権利があるのだ というところに立って声を上げることができるかどうか、ここがポイントなわけですね。

ですから、そこのところを私たちがきちっと草の根の運動と同時に、皆さんはそれぞれ の職場の組合での討論の中から、この危険な本質をどうやって明らかにして、すべての住 民と共有した運動にしていけるかどうか、そこができれば私は勝てるだろうと思っていま す。

一緒に頑張りましょう。
ありがとうございました。

2006年9月16日(土)に東京都内で開催された
「第2回憲法闘争をすすめる全国交流集会」での講演趣旨(自治労連)より掲載


小森陽一さんプロフィール
1953年東京生まれ。成城大学助教授、東京大学助教授を経て、現在東京大学教養学部教授。北海道大学文学部大学院文学研究科博士課程修了。
「九条の会」事務局長。
主な著書に、『漱石を読みなおす』(ちくま新書)、『小森陽一ニホン語に出会う』(大修館書店)、『世紀末の予言者・夏目漱石』(講談社)、『日 本語の近代』(岩波書店)、『最新 宮沢賢治講義』(朝日新聞社)、『天皇の玉音放送』(五月書房)など。


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2015年9月12日更新 あやめ池学園南九条の会


元内閣法制局長官 「明白な違憲」と陳述


大森政輔さん(元内閣法制局長官) 9月8日参考人として意見陳述 参議院『平和安全特別委員会』



わたくしは、先般、行われました閣議決定の問題点を指摘することを通じて、その閣議決定が映しこまれた法案についての意見とさしていただきたいと思います。
しかも、時間の関係もございますので、今回は、集団的自衛権の行使は憲法9条の下で許容されるのかという問題と、他国の武力の行使との一体化に関する見解の、閣議決定による見解の変更は相当であるのかという2点に絞って意見を述べたいと思います。
まず、集団的自衛権の行使は憲法9条の下で許容されるのかという問題につき、申し上げたいと思いますが、日本国憲法が制定されまして、今日までの変遷を少したどってみたいと思いますが、 昭和20年代の全般、この時は、自衛権がそもそもあるのか、ないのかという議論で終始いたしました。ところが昭和25年、朝鮮動乱が起こりまして、日本の治安を事実上、 担保しておりましたアメリカ軍が、朝鮮半島に出兵いたしまして、日本国内は、治安の真空状態が生じたと。そこで警察予備隊が組織され、それが保安隊に組織改変されまして、 昭和29年7月の1日、自衛隊が創設されました。そこで当時、当時の内閣は、それまでの憲法9条の解釈を整理いたしまして、次のような内容にまとめたわけでございます。

これは当時の法制局の説明によりますと、決して、憲法解釈の内容を変えたんではないんだと、いろいろ行われてきた解釈を整理したんだということになっております。
これをどう評価するか、これはまた別の機会の問題でございまして、この昭和29年7月の1日、自衛隊の創設に際して整理された旧憲法9条の概要を申し上げますと、

第一点は、憲法9条1項は国際紛争を解決する手段としての戦争、武力による威嚇、又は武力の行使を禁じているが、独立国家に固有の自衛権までも否定する趣旨のものとは解されないと。

第二点は、同条2項は戦力の保持を禁止しているが、自衛隊の行使を、自衛権の行使を裏づける、自衛のための最小限度の実力を保持することまでも禁止する趣旨ではなく、 この限度を超える実力を保持することを禁ずるものであると。

そして第三点といたしまして、自衛隊は我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つための不可欠の機関であって、右の限度内の実力機関であるから違憲ではないと、 この三点に整理して、それ以来、憲法学の研究者の中には、自衛隊自体の違憲性に関する議論も交わされてはいましたけれども、政府におきましては、上記、整理された見解を今日まで堅持し、 その保有は認容できるが、その行使、集団的自衛権の行使については、政府を含めて否定すべきものである、政府を含めて否定すべきものであることがその都度、確認され、 今日まで一貫して堅持されてきたわけでございます。

それを承知をした言辞が、たとえばこの事項は集団的自衛権の行使にあたるから、憲法9条に抵触し認められないのではないかと。
このように、あたかも集団的自衛権の行使が、憲法9条に違反する典型行為であるが、あることを前提とするようなかたちで議論がなされてきたわけでございます。
したがいまして、本件閣議決定による集団的自衛権の行使認容は、超えることはできない憲法則ともいうべき基本原則からの重大な逸脱であると言わなければなりません

次に、この先般の閣議決定におきましては、論理的整合性、論理的帰結、基本的な論理の枠内、合理的な当てはめの結果などという、それを個々に考えてみますと、 意味不分明な概念を設定し、集団的自衛権の行使認容を、その合理的な当てはめの結果として、憲法9条が認める自衛のための措置にあたるものだと主張してるわけでございます。
これはたぶん、個別的自衛権と集団的自衛権を同質のものとして、同次元の存在における必要性の区分に留まるとして、憲法9条の下で集団的自衛権の行使を容認する伏線にしてるんではなかろうかと、推測するものでございます。
しかしながら、個別的自衛権と集団的自衛権は決して同質のものではなく、本質的な差異があるんだということを申し上げたいと思います

個別的自衛権の行使、すなわち、外国の武力攻撃によって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が損なわれる場合には、これを排除し、我が国の存立を全うし、 国民を守るために、他に適当な手段がない時に必要最小限度で武力の行使を行うということは、独立主権国家ならば、固有かつ先天的に有する自己保全のための自然的権能に基づくものであると解されまして、 憲法9条の下でも、当然に許されるものであると考えるわけでございます。

他方、集団的自衛権の行使、すなわち、我が国が武力攻撃を受けなくとも、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生をした、発生した場合において、それを阻止するため、 当該他国の要請を受けて、武力攻撃を行う第三国に対して、我が国が武力行使を行うことができうるとされる国際上の権利につきましては、 武力攻撃を受けた他国との密接な関係と申しますのは、同盟条約などを根拠とするものでございまして、上記のような個別的自衛権とは異なり、 その権利の根拠、あるいはその内容というものは、他国との間の同盟、その他の関係の密接性により、後天的に発生し付与される内容をもつものでございます。

このように、集団的自衛権の行使につきましては、それが密接な関係にある当該他国の要請を受けて行われることが示すとおり、直接的には当該他国を防衛することを目的とするものであり、 『他国防衛権』、あるいは『他衛権』という用語を使った方が、その本質を端的に表すと考えるわけでございますが、 この『他国防衛権』の行使が、間接的には自国の平和と安全の確保に寄与することがありうるとしても、自国に対する武力攻撃を排除することを直接の目的とする個別的自衛権の行使とは本質的に異なるものでございます。

このように両者は別次元の事象である。本件閣議決定にいうような基本的論理の枠内における合理的な当てはめの結果として、単に同次元における必要性の程度に応じて、拒否の区分の線引きを移動させることはでき、 また移動させようとしたに留まるものでございません。

したがって、我が国を取り巻く国際環境、国際安全保障環境の変化を考慮しましても、憲法9条の下で、いずれの場合も我が国による武力の行使を許容できると判断することは、 これは内閣の『独断』でございまして、肯定できるものではございません

以上のとおり、集団的自衛権の行使は、今後とも憲法9条の下で許容できる余地はないのに、本件閣議決定において、憲法解釈の変更と称して、これを憲法9条の下で許容できるとして、 それを前提として各種の施策を講じようとすることは閣議が、内閣が閣議決定で成し得る範疇を超えた措置であると

したがって、その権能を超えたものとして無効と解すべきだと思います

したがって、これを前提として、自衛隊法の改正、その他、所要の措置を講ずることは到底、認められないと考える次第でございます。

そのほか、今回の、先般の閣議決定の内容には、多々、問題点がございますが、時間の関係もありますので、そのうちの数点を申し上げたいと思います。

まず、集団的自衛権行使限定要件の不明確性と言うものがあるわけですが、これは話せば長い話になりますので、また別の機会にいたしまして、 この〔新3要件〕の第一条件の後段、「明白な危険」という用語を使われております。
これについて、若干、わたくしの意見を申し上げたいですが、自公間の与党協議において、「根底から覆されるおそれ」という用語を入れようとしたことが新聞報道では言われております。
しかし、「根底から覆されるおそれ」では判断の客観性を確保できないとして、「明白な危険」とすることによって、与党協議が落着したようでございます。
しかしながら、単なる「危険」に「明白」という用語を付加しても、本来、危険の概念には、国語辞典等を紐解きますと「危害、又は損失の生じるおそれがあること」と。
「おそれがあること」という意味であるというふうに書かれております。この「おそれ」という不確定概念が本質的に含まれていると。
したがって、「明白」なる用語を被せましても、発生の不確実性を除去することは、用語の本質的意義から不可能であり、規定の運用者如何によっては、 その主観的判断の結果が、大きな差が生ずるということを否定できないんではなかろうかと、一言、申し上げたいと思います。

次に、集団的自衛権の行使と、その先制攻撃性という問題が、次に存在するわけですが、これはまた別の機会に申し上げることにいたしまして、

次に、先般、わたしなどはマスコミを通じてでございますが、法的安定性という問題について、その議論が戦わされたことがございます。
これもぜひ、申し上げたいんですが、これものちほどにいたしまして、
その次が最高裁、〔砂川判決〕と集団的自衛権行使の関係でございます。
これはぜひ、わたくしは申し上げたい。そして理解をいただきたいと思う次第でございます。
すなわち、最高裁は〔砂川判決〕中で、集団的自衛権行使を合憲と認めているかという問題でございます。
この裁判の実務に関係する法曹、放送局の放送じゃなくて専門家という意味でございますが、法曹の間では、最高裁〔砂川判決〕が集団的自衛権の合憲性の有無まで射程範囲にしてるものではないということにつきましては、 何ら異議はございません。
砂川事件で問題となりましたのは、旧日米安保条約に基づく米軍駐留の合憲性、これが問題になりまして、同条約は、日本の個別的自衛権と、アメリカの集団的自衛権との組み合わせで日本を防衛しようとするもので、 同判決において、我が国が集団的自衛権を行使できるか否かという点はまったく争点となっていないのでございます
ところが、この判決理由中の数行から、数行を引き出しまして、それに独自の考え方を入れて、「最高裁も集団的自衛権の行使を認めてる」という説がかなり広まり、 それがかなりの力をもって、当面の論争を左右しようとしていると、この点は非常に問題でございます。

この最高裁判決の先例としての価値、つまり当該先例から引き出される一般法理が何かというのは、あくまで、いかなる具体的争点に対してなされた判決かということに即して決まるものでございます。
〔砂川判決〕から集団的自衛権の行使は合憲であるとの結論が導かれるとの主張は、こうした法律学の基本の理解に関係するものでございまして、到底、そういうことができるものではございません。
この判決に集団的自衛権の行使を許容する最高裁の意図を読み込むことは、まったくの暴論でございます。
この暴論というのは、この傍らの論じゃございませんで、バイオレンスの「暴」でございます。なぜ、このようにわたしが、足りない、少ない時間を費やしたかと申しますと、 この最高裁は集団的自衛権行使を合憲と判断してるんだという事実じゃないことを、言葉を信じて、本件閣議決定を支持している者が相当数に上ると推測されます。
しかし、このように国民を誤って導くに至ったことは非常に遺憾でございまして、本来は、内閣法制局はそれを是正しなかったというところに発端があるわけでございまして、 わたしは内閣法制局にずいぶん長い間いたわけでございますけども、これは内閣法制局も任務の懈怠であると言わなければなりません。

ぜひ後輩、現役の人たちは、これを耳に入れ、頭に叩き込んで、もう一度、考えてもらいたいものであると思います。

次に、この閣議決定と、閣議決定をめぐる議論を聞いておりますと、文言の、文言、すなわち表示と、表示者の意思というものが齟齬してると言わざるを得ないと。
これも、そういうことで…。

最後に、ここだけはぜひ、お願いしたいと思いますが、国際紛争への積極的関与の端緒になるおそれがあるんだということでございます。
また、我が国が集団的自衛権の行使として、武力行使をしている第三国に武力攻撃の矛先を向けますと、その第三国は反撃の正当な理由の有無にかかわらず、 事実上、我が国に対し、攻撃の矛先を向けてくることは必需でございまして、集団的自衛権の抑止力以上に紛争に巻き込まれる危険を覚悟しなければならず、 バラ色の局面到来は到底、期待できないことを自覚しなければならないのではなかろうかと。

したがいまして、集団的自衛権の行使は、このような事態の発生可能性を伴うものでございますから、それを国策として採用することが、我が国の平和と安定のため、 確保のために必要であるとすれば、憲法上、明文をもって用意されている憲法改正手続きにのせ、全国民的検討をうることが求められると言わざるを得ません。

本来はもう少し申し上げたい点があるんですが、最後にひと言、申し上げたいと思います。
それは冒頭に申し上げました他国の武力の行使との一体化の問題でございます。
この問題、これは、大体どういう考え方であるかというのはすでに、この当委員会で充分に議論されたと思いますが、今回の閣議決定、この一体化に関する閣議決定の問題点は二点ございます。

その一点は、この戦闘現場と非戦闘現場を一線で画することの非現実性という問題と、それから支援活動内容の拡大が、武力の行使との一体化の縮小をきたす見解になっているという点でございます。
それぞれの、ぜひ申し上げたいことが二点あるわけでございますが、また、ご関心のある方が質問をしていただきますれば、その際に充分の考えるところを申し述べたいと思います。
ずいぶん時間が超過いたしまして、どうも失礼しました。

2015年9月11日 あやめ池学園南九条の会


憲法の大原則変更は 国民の支持なく不可能


那須弘平さん(元最高裁判事) 安保法案を批判



参議院で審議中の安保関連法案(戦争法案)について、広範な法 曹界の人々から反対の声が上がっています。
元最高裁判所判事の那須弘平弁護士に見解を聞きました。 (聞き手・山沢猛)
−安保法案のうち、集団的自衛権を認める部分については「法律的にも政治的にも認められない」と、日 本弁護士連合会の集会で発言されています。

 言うべき責任

 那須 私は中立公正を本質とする最高裁の判事の職にあ ったことを考慮し、単なる政策の当否に関する政治問題については、発言を控えてきま した。しかし、国を運営する元となる憲法の大原則に深刻な変更が加えられるとすれば、全く別の問題になりま す。法律家として、いうべきことをきちんという社会的責任がある、と考えます。
 今回、安倍内閣によって憲法解釈の変更がおこなわれ、これを踏まえて安保法案が提 出されたわけですが、一内閣が閣議決定でこれまでの憲法解釈を変更することには限界 があるはずです。
まず、その解釈変更について、これを必要とする緊急、重大かつ明白な事態が現に起きているの か、あるいは起きようとしているのかが問題になりますが、そうした事実の指摘もなされていません。

 また、1972年の政府見解では、9条で自国の平和と安全を維持するための自衛の措置が禁じられていないとす る一方で、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」といっているわけですから、これまでの政府見解とも整合し ません。憲法解釈の変更は一般の法律と同様、あるいはそれ以上に論理的にすじみちが立っていなければいけないの に、あいまいなままです。
これでは、集団的自衛権の行使は違憲といわざるを得ません。

現状をみると

 さらに、論理的に説明がつけばそれでいいというものではありません。今回の憲法解 釈の変更は、実質的に憲法の基本原則に重要な変更を加えるものですから、国会で論議 をつくしたというだけでは足りない。
憲法改正には国民投票をやってその過半数の賛成が必要であるのと同じく、この種の解釈の変更も国民の多 数からの支持なしには不可能だというべきでしょう。
それには時間もかかるし、議論の深まりも必要です。現状をみると、今回の法案は国民の多数に支持されているとは言い 難く、今後ともほとんど不可能であると私は見ています。

−憲法解釈を変更する条件が備わっていない ということですね。

 那須 そのとおりです。尖閣列島、北朝鮮、あるいはホルムズ海峡等多 くの問題があり、これからも生じることでしょうが、これらは、軍事で解決しようとすればかえって マイナスになり日本の安全を脅かします。
外交で解決すべき問題です。憲法もそういうことを想定したうえで「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ること のないやうにすること」を決意し、これを憲法前文に明記しています。
 「国民を守るため」というのが政府の大義名分ですが、現実に個々の紛争で武力の行使をしたら 国民の一部である自衛隊員が命を失うことになります。その背後にいる国民を深刻な危険にさらす ことにもなります。

憲法前文の誓い

 −那須さんは憲法前文について、日本が「不戦を約束した誓いの言葉」であると理解し、 アメリカ独立宣言、フランス人権宣言に匹敵するといっていますが。

 那須 そうです。第2次世界大戦の悲惨な体験 の上に立ってできたのが日本国憲法であり、その魂ともいうべきものが憲法前文だと理解していま す。大戦で200万人をこえる兵士たちが異国に倒れて還(かえ)らなかった。一般国民も、原 爆、空襲などで命を落とし、財産を失った。周辺諸国の人々にも筆舌に尽くせぬ犠牲と被害を与え た。その日本が、滅亡の淵(ふち)まで追い詰められた後に、きわどいところで踏みとどまって反 省し、謝罪し、不戦を約束することで生き残ることを許された。その誓いの言葉が前文です。

 アメリカ独立宣言、フランス人権宣言はそれぞれが国民の尊い血と汗と涙と引き換えに築き上げ た新国の指導原理、ともいうべきものです。日本の憲法前文も新しい国づくりの原理をうたいあ げ、その後の国家経営の基本となり、そのように運営されてきました。憲法前文の理念なくして、 現在の日本はあり得なかった、という意味で共通するものがあると考えています。


 前文は法的拘束力を持たないというのが通説ですが、それとは別に制定当時の国民、あるいは将 来の国民に向けられた政治的文書としての意味があったことを無視してはならない。この前文がま ったく似ても似つかぬものに変えられてならないことは当然ですが、閣議決定という非正規の方法 で行われる場合であっても、前文の示す大原則に反したり、改変するようなことには賛成できませ ん。

良心に問うこと

 −憲法は国民の歴史的経験に根ざしているということですね。

 那須 前文の締めくくりには「日本国民は、 国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」とありま す。
 憲法の理念が破棄されようとしているいま、異国の戦場に散っていった兵士たち、戦火の中で非 業の死を遂げた国内外の人々にたいして、私たちはこの前文の誓いを十分に果たしたと胸を張っ て報告できる状況にあるのか。このことを政治家、法律家はもちろんのこと、国民一人ひとり が自身の良心に問うてみる必要があると思います。

那須弘平さん  なす・こうへい 1942年長野県伊那市生まれ。東大法学部卒業後、69年弁護士登録。88年日弁連常務理 事。2006年5月最高裁判事(12年2月定年退官)。現在、法律事務所顧問。

赤旗 2015.9.8より

2015年9月8日 あやめ池学園南九条の会


学園前あやめ池疋田西大寺・地区共同センター主催で 9月12日 市民宣伝


◇◇◇あやめ池学園南九条の会も積極的に参加します。◇◇◇

憲法違反の安全保障関連法案の廃案を求める行動


8月30日 JR奈良駅に集まった人人人

 

 

と き:2015年9月12日(土)午後4時から

 

ところ:あやめ池駅北口広場

 主催 学園前あやめ池疋田西大寺・地区共同センター

 
 

2015年9月5日 あやめ池学園南九条の会


奈良弁護士会主催で 市民集会・パレード


◇◇◇あやめ池学園南九条の会も積極的に参加します。◇◇◇

憲法違反の安全保障関連法案の廃案を求める行動


 

 と き:2015年8月22日(土)午後3時から午後5時
 

 ところ:奈良公園
 

 主催 奈良弁護士会
 共催 日本弁護士連合会(予定)
 
 

2015年8月18日 あやめ池学園南九条の会


学園前・あやめ池・伏見地区・西大寺地域 戦争法案反対共同センター


大宣伝・署名行動しました


 

 と き:2015年8月18日(火)午後2時から午後3時
 

 ところ:あやめ池南口周辺
 

 弁 士:吉川 好胤(あやめ池学園南九条の会)
 

2015年8月18日 あやめ池学園南九条の会


証言:戦後70年 抑留、仲間の死つらく /奈良


毎日新聞で報道!!!


 ◇藤堂勇さん(90)=奈良市  1945年3月に旧陸軍に召集され、旧満州(現中国東北部)に送られた。
 8月15日の玉音放送は兵舎の前に立っていたので聞こえなかったが、上官が泣いているのを見て終戦を知った。
 部隊では「皆殺しにされる」「捕虜として死ぬほどこき使われる」とうわさが飛び交い、かなりの脱走者も出た。

 私たちはソ連軍に武装解除され、シベリアに抑留された。冬の収容所はマイナス45度までになる。
 雪が積もる中、切った木材を運ぶ作業は本当につらかった。
 食事は具のないスープにパン1つ。あまりの空腹に野草を食べ嘔吐(おうと)し、ホースを口に突っ込まれて無理やり吐かせられたこともあった。
 想像を絶する重労働で、仲間が何人も衰弱死するのを見るのは本当にきつかった。
 

 私も靴下もはかずに作業をさせられ、右親指の先が凍傷になった。
 赤く腫れた患部を軍医にナイフで削り取られ、今でも親指の先は少し欠けている。

 2年11カ月の抑留を生き抜き、48年11月、復員した。
 引き揚げ船から神社などの風景が見えた時「日本に間違いない」と引き揚げ者同士で、抱き合って喜んだ。
 母らが待つ自宅にたどり着き「今帰って来たよ」と言った後は涙で言葉にならなかった。
 戦争はもう絶対にやりたくないし、このような悲しい歴史は二度と繰り返してはいけない。
 【聞き手・毎日新聞 芝村侑美】
 

毎日新聞は、継続的に奈良の戦争体験・記憶を報道されています。

2015年8月11日 あやめ池学園南九条の会


二度と再び戦争を起こさないために


「戦争法案」と「戦争体験」の学習会

37名の参加で成功


熱弁される宮尾弁護士
壮絶体験語る市民
閉会あいさつ(浜野滋代表世話人)

 

 と き:2015年7月11日(土)9時30分より
 

 ところ:なら西部公民館 5F 第2講座室
 

 講 師:宮尾耕二 弁護士(奈良弁護士会)
 
 

   お 話:シベリア抑留体験をされた市民の方  

 内 容:悲惨な戦争体験を知り、解釈改憲を許さない立場から、「戦争法案」の内容を学ぶ
 

  1 「戦争法案」について

   
    プレゼンレジュメ

    資料


  2 シベリア抑留体験を聞く

 入 場:無料  

 問合せ先:代表世話人 吉川 好胤 まで FAX 0742-44-0416  

 主 催:あやめ池学園南九条の会
 

2015年7月11日 あやめ池学園南九条の会


地域アピール



あやめ池 学園南 の地域から 世界に九条を輝かせましょう


「九条の会」アピール への 賛同の呼びかけ

・ 2004年6月10日井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、 澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子さんら九人のかたがたによる「九条の会」のアピールが 発表されました。私たちは、「平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて 憲法九条を激動する世界に輝かせたい」というこのアピールに心から賛同します。

・ 古都奈良は、世界遺産に登録された数々の文化遺産をはじめ、豊かな自然と歴史的遺産 をもっています。その遺産を守り、子子孫孫に伝えるためにも、この奈良から「戦争を しない」ことをうたった日本国憲法九条を守り世界に輝かせるために、ご一緒に声をあ げようではありませんか。

・ 武力による紛争の解決が、いかに非現実的であるかは昨今ますます明らかになっています。 私たちは、あやめ池 学園南 の地域にお住まいのみなさん、お勤めのみなさんが「九条の会」 のアピールに賛同していただけるよう呼びかけるとともに、ふたたび日本を戦争をする国に変 える「改憲」のくわだてを阻むために、一人ひとりができる、あらゆる努力を、 いますぐ始められるよう心から訴えます.

私たちは知っています。 先の大戦で、幾千万の人々が生きたくても死んでいった無念さを。 戦争では勝者も敗者もありません。

私たちは知っています。 今、「平和を守るために」憲法九条の改悪を許さない闘いが大切なことを。

私たちは、あやめ池 学園南の地域から、「九条の会」アピールへの賛同を呼びかけます。

日本国憲法前文と九条を現状のまま堅持することの賛同を広げます。

そのために、あらゆる立場の違いを超えて多くの人々と手をつなぎます。

私たちは、平和な未来を創るための事業に取り組むことを決意しました。

2006.6.25



日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。

ヒロシマ・ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって、五千万を越える人命を奪った第二次世界大戦。
この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のためであっても、武力を使うことを選択肢にすべきではないという教訓を導きだしました。
侵略戦争をしつづけることで、この戦争に多大な責任を負った日本は、 戦争放棄と戦力を持たないことを規定した九条を含む憲法を制定し、こうした世界の市民の意思を実現しようと決心しました。

しかるに憲法制定から半世紀以上を経たいま、九条を中心に日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。
その意図は、日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。
そのために、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束を実際上破ってきています。
また、非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています。
そして、子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするために、教育基本法をも変えようとしています。

これは、日本国憲法が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むものです。
私たちは、この転換を許すことはできません。

アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに非現実的であるかを、日々明らかにしています。
なにより武力の行使は、その国と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません。
一九九〇年代以降の地域紛争への大国による軍事介入も、紛争の有効な解決にはつながりませんでした。
だからこそ、東南アジアやヨーロッパ等では、紛争を、外交と話し合いによって解決するための、地域的枠組みを作る努力が強められています。

二〇世紀の教訓をふまえ、二一世紀の進路が問われているいま、 あらためて憲法九条を外交の基本にすえることの大切さがはっきりしてきています。

相手国が歓迎しない自衛隊の派兵を「国際貢献」などと言うのは、思い上がりでしかありません。
憲法九条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との友好と協力関係を発展させ、 アメリカとの軍事同盟だけを優先する外交を転換し、世界の歴史の流れに、自主性を発揮して 現実的にかかわっていくことが求められています。

憲法九条をもつこの国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外交と、経済、文化、科学技術などの面からの協力ができるのです。

私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条を激動する世界に輝かせたいと考えます。
そのためには、この国の主権者である国民一人ひとりが、九条を持つ日 本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していくことが必要です。
それは、国の未来の在り方に対する、主権者の責任です。

日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、 「改憲」のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。

2004年6月10日
井上 ひさし(作家)   梅原 猛(哲学者)   大江 健三郎(作家)
奥平 康弘(憲法研究者) 小田 実(作家)    加藤 周一(評論家)
  澤地 久枝(作家)    鶴見 俊輔(哲学者)  三木 睦子(国連婦人会)

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08.9.9 奈良の空襲と国宝疎開に関わるコーナー設置
08.8.9 地域ビラNO.9発行!
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08.3.19 地域ビラNO.8発行!
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